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JSQCニューズ 2013年 5月 No.324

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■トピックス:「JSQC認定 品質技術者」の活用のお勧め
■私の提言:品質マネジメントと「見える化」とICT(情報通信技術)
・PDF版はこちらをクリックしてください →news324.pdf

トピックス
「JSQC認定 品質技術者」の活用のお勧め

会員サービス委員会 委員長 渡辺 喜道

 第42回通常総会において、「JSQC認定 品質技術者」資格を認定することが認められました。自己の品質管理能力の継続的な研鑽をはかるための一助として、この制度を是非ご活用ください。

 当学会が認定する品質技術者には2つの種類があります。ひとつは「JSQC認定 品質技術者」で、もうひとつは「JSQC認定 上級品質技術者」です。品質技術者は、品質技術に関する高度な能力を備えており、常に自己の品質技術の向上に努めていることを当学会が認定した技術者であり、上級品質技術者は品質技術に関するより高度な能力を備えており、常に自己の品質技術の向上に努めるとともに、品質技術の普及・発展に寄与できることを認定した技術者です。
 日本の企業・組織は、顧客ニーズの多様化や社会システムの複雑化など多くの課題に直面しています。品質管理は、顧客ニーズに合った製品やサービスの提供と自組織のシーズ(技術・人など)の活用・改革を通して、新たな顧客価値を創造するための方法論であり、変化の激しい現代では、従来に増してその実践が強く求められています。しかし、このような実践には、品質管理に関する深い知識と熱い情熱を持った専門家の存在が不可欠です。品質管理の専門能力を身につけることは、短期間でできることではありません。この制度を通じて、品質管理の専門家としての認定を受けることにより、品質面で貢献できる能力を有することが明らかになり、ご自身の活動がしやすくなる環境作りにつながるのではないかと思います。
 品質技術者の対象は、以下の2つの条件を満たす正会員です。
(1) 上級品質技術者
  1) 品質管理検定(QC検定)1級の合格者であること。
  2) 過去5年以内に実績の換算ポイントを10点以上取得したもの。
(2) 品質技術者
  1) 品質管理検定(QC検定)2級以上の合格者であること。
  2) 過去5年以内に実績の換算ポイントを8点以上取得したもの。
 実績の換算ポイントを以下に例示します。品質誌への査読付き論文の掲載は5点、査読なしのシンポジウムや研究発表会等での発表は3点、シンポジウムや研究発表会、事業所見学会、講演会、講座、クオリティトーク等への一般参加は1点です。また、日本科学技術連盟または日本規格協会の行事に対しても、各行事に対して1点〜4点の実績の換算ポイントを付けています。
 認定の申請を頂いた方について、申請の内容を確認し、条件が満たされていれば認定証をお送りいたします。認定証の有効期限は毎年12月末日です。申請は随時、更新は10月以降に受付します。当該年度会費の入金確認後に認定証を送付します。認定証は図をご覧ください。
 品質技術者に認定されますと、希望により、当学会のWebサイトで紹介されます。また、名刺に品質技術者の肩書を印刷することができます。さらに、上級品質技術者認定を受けられた方には、希望により、当学会のWebサイトから、ご本人のページにリンクを張ることができます。
 この制度を活用することにより、品質管理業務従事者の職能意識の高まりや、品質管理技術に関する知識やスキルの向上に活かして頂きたいと思っています。

 


私の提言
品質マネジメントと「見える化」とICT(情報通信技術)

コマツ コマツウェイ総合研修センタ 所長 荒井 秀明

 「見える化できれば、問題解決は85%達成できる。」と社員に説明している。業務の中で、目標となる基準値、期待値に到達していない状況をいかに改善していくか、を社員に求めているが、現状を把握すること、現場・現物・現実をしっかりと把握し、要因をつかむことが大事であると説明している。
 この過程で要因をつかむためには現状を示す情報やデータを集めて、層別し分析し処置がとれるところまで深く掘り下げて、問題点を「見える化」することが大切である。見えてくれば対応策を出すことが可能になる。品質マネジメントを実行するにあたり基本的なことである。社内でこれを実践させるためには、意識付けや教育研修課程などの仕組み作りと、管理職や指導員が業務を通して繰り返し教え、やる気を引き出す不断の努力が大切である。「鉄は熱いうちに叩け(打て)」と、若いうちに指導されることにより、考え方が身に付き少しずつ思考水準が上がってくる。完璧ならずとも実践で試してみて足らないところを見直していくような進め方を奨励している。
 一例として、建設機械にGPSを搭載し、機械の位置情報や運転状況を管理するKOMTRAX(コムトラックス:遠隔機械管理システム)がある。90年代に盗難にあった建機でATMを破壊し現金を奪う犯罪が起きた。建機が悪用されることを苦々しく思い、盗難にあった機械を追跡できないか、更に盗難にあわないように防止機能を装備できないか、と工夫して数年ごとに進化している。お客様、販売代理店、弊社が、この機能を使って互いに成長している。ソリューションビジネスとして、お客様に所有建機の稼働状況、燃費効率を考え仕事量が多い運転方法、故障未然防止のための定期点検、健康診断など、世界で稼働している30万台以上の建機からリアルタイムで情報を集め、データを分析し「見える化」してお客様に提供している。
 ICTの発展に伴い、製品の品質と信頼性、マーケティング、顧客の購買傾向、地震の発生確率、天気予報など、広範囲でビッグデータの活用が進んでいる。品質管理、統計学とICTが人々のくらしを豊かにすることを望んでいる。


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