「見える化できれば、問題解決は85%達成できる。」と社員に説明している。業務の中で、目標となる基準値、期待値に到達していない状況をいかに改善していくか、を社員に求めているが、現状を把握すること、現場・現物・現実をしっかりと把握し、要因をつかむことが大事であると説明している。
この過程で要因をつかむためには現状を示す情報やデータを集めて、層別し分析し処置がとれるところまで深く掘り下げて、問題点を「見える化」することが大切である。見えてくれば対応策を出すことが可能になる。品質マネジメントを実行するにあたり基本的なことである。社内でこれを実践させるためには、意識付けや教育研修課程などの仕組み作りと、管理職や指導員が業務を通して繰り返し教え、やる気を引き出す不断の努力が大切である。「鉄は熱いうちに叩け(打て)」と、若いうちに指導されることにより、考え方が身に付き少しずつ思考水準が上がってくる。完璧ならずとも実践で試してみて足らないところを見直していくような進め方を奨励している。
一例として、建設機械にGPSを搭載し、機械の位置情報や運転状況を管理するKOMTRAX(コムトラックス:遠隔機械管理システム)がある。90年代に盗難にあった建機でATMを破壊し現金を奪う犯罪が起きた。建機が悪用されることを苦々しく思い、盗難にあった機械を追跡できないか、更に盗難にあわないように防止機能を装備できないか、と工夫して数年ごとに進化している。お客様、販売代理店、弊社が、この機能を使って互いに成長している。ソリューションビジネスとして、お客様に所有建機の稼働状況、燃費効率を考え仕事量が多い運転方法、故障未然防止のための定期点検、健康診断など、世界で稼働している30万台以上の建機からリアルタイムで情報を集め、データを分析し「見える化」してお客様に提供している。
ICTの発展に伴い、製品の品質と信頼性、マーケティング、顧客の購買傾向、地震の発生確率、天気予報など、広範囲でビッグデータの活用が進んでいる。品質管理、統計学とICTが人々のくらしを豊かにすることを望んでいる。