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学会誌「品質」
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JSQCニューズ 2012年 3月 No.315

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■トピックス:関西支部の活動紹介
■私の提言:品質マネジメントと統計的方法の発展のための産学官連携の必要性
・PDF版はこちらをクリックしてください →news315.pdf

トピックス
関西支部の活動紹介

関西支部長 岡原 邦明

 日本企業は、世界経済の中で勝ち残っていくために、さまざまな構造改革や将来の成長戦略構築に頭を悩ませている。また、低炭素社会の実現に向けて、太陽光発電や電気自動車など、革新的な技術開発が求められる時代となってきた。今後、日本企業がさらに成長し、グローバル競争に勝ち残っていくためには、日本企業元来の強みである「技術開発力」「品質力」ならびに、それらの基となる「人づくり」がますます重要となっている。
 このような状況の中、これまで日本の文化や産業を支えてきた“ものづくり”“サービスづくり”の基盤を引き続き維持・発展させていくことが必要であり、このとき、品質管理の果たすべき役割はますます大きくなっている。
 関西支部では、品質力、組織・マネジメント力、現場力、顧客対応力の向上策について具体的に提言することにより品質管理のレベル向上に貢献することを目的に、事業活動のさらなる活性化を図り、より多くの会員が満足できる活動を展開していく。

☆事業のコンセプト
(1) 会員の質的向上を図り、品質管理のレベル向上に貢献できる成果を出す。
  ・研究会、研究発表会
(2) 会員の相互研鑽を図り、大学の研究活動や企業の品質管理活動に寄与する。
  ・シンポジウム
(3) 会員・非会員を問わず、品質管理に関する有益な内容を提供し、日本品質管理学会の活動を世間に広く理解浸透させる。
  ・講演会、事業所見学会
(4) 会員サービスの向上
  ・QCサロン
   
☆研究会活動
(1) 統計的品質情報解析研究会
「新たなSQCの開発・実践を行うこと」「誤用を防ぐために既存SQCの再検討を行うこと」を通してSQC活動を活性化させる。
(2) 科学的先手管理アプローチ研究部会
マネジメントの課題を階層別に取り上げ、日本品質管理学会が培ってきた数々のQC技術(信頼性、IE、OR等を含む)をベースにし、科学的な先手管理、源流管理へのアプローチを体系化する。
(3) 品質管理教育教材開発研究会
受講生が、ものづくりやそれを支える品質管理に対して興味が持てるように、学校・企業の教育分野で使える品質管理教育の教材を開発し、教育の仕方やマニュアルも併せて提案する。

☆研究発表会
 企業のニーズと学におけるシーズをマッチさせ、産学で相互に研鑽できる発表会を企画する。[1回]

☆シンポジウム
 今,最も要求されているテーマを選定し、活発な議論のできるシンポジウムを企画する。[1回]

☆講演会
 “ものづくり”“サービスづくり”の発展に寄与できる魅力ある講演会を企画する。[1回]

☆事業所見学会
 特色のある事業所の見学を企画する。[2回]

☆QCサロン
 会員サービスの充実を図るため、講話とざっくばらんな質疑応答ができるサロンを企画する。[5回]

☆関西支部企画運営委員会の開催
 支部運営に関する各種の検討を行い、支部事業の活性化を図っている。検討結果は必要に応じて役員会に報告する。なお、メンバーは幹事長ほか数名とし、幹事長が指名する。

以上が、関西支部の活動概要である。なお、支部活動に関する各種データ収集・管理を継続的に行い、支部活動の現状把握、関西支部の品質管理活動の活性化に役立てていきたい。


私の提言
品質マネジメントと統計的方法の発展のための産学官連携の必要性

岡山商科大学経済学部 西 敏明

 品質管理の歴史的・関わる世代、技術発展の経過を鑑みると、時代を経ても産業界・学界ともに品質の事象について、研究課題として、また日常的に考えるべき課題や問題は数多くあるのではないだろうか。品質管理の管理技術としての要素は多くあり、目的品質構築のプロセスで、どう保証していくかの仕組みが重要である。品質管理の対象は様々な質であり、適用分野は実に様々である。
 本学会において、品質マネジメントや統計的方法論の研究も盛んに行われている。研究において、科学的な論理構築の妥当性を含めシミュレーションなどを行う学術性の高い研究の場合や実際に実験的に行う場合、また既存データを適用・深化している論文など数多くある。その際、背景となる論理的視点、制約条件等を含め検討していくことは当然のこととして行われている。
 私自身の研究課題の一つである品質保証の観点から取り組んでいる生物代謝システム(輻輳した代謝システム、遺伝子制御の調整機能)は、まさに日常的に絶え間なく品質管理の適用を行っている。これは品質管理を基軸とした新たな品質保証システム一里塚にもなると考えられる。
 私自身の浅い経験ではあるが、上記に関連した研究で品質保証システムを研究するために、仮説・検証を逐次する。その際、適用するべきデータ、シミュレーション、実験環境等々、様々な観点から行う。データの観点から研究推進で「様々なデータを取得する際や、背景として存在する制約条件の壁」がある場合が存在する。これは他分野、他の学術研究でもあるのではないかと考察される。そのため産学連携し、相互を十分に考量した環境整備並びに官が支えるシステムの必要性を感じる。
 企業にとっても、様々な分野の適用においても、研究が盛んに行われることは、「品質マネジメントシステムの開発」、「新たなナレッジ開発の一考」、「新たな統計的方法論の適用」にも繋がり有用性は高いと考えられる。産学研究の推進のために、産学の摺り合わせや共有化・連携がますます必要になる。これこそが品質管理の分野の発展のために考えていかなければならない事項ではないだろうか。今後のさらなる産学官連携の推進を期待したい。


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