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JSQC 社団法人日本品質管理学会
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学会誌「品質」
JSQCニューズ
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JSQCニューズ 2008 9月 No.287

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■トピックス:今年度で18年目を迎えた関西支部の活動紹介
■私の提言:利益にも品質がある!「利益の品質」を見える化するために
■わが社の最新技術: 高精度で信頼性の要求される微少流量の測定とコントロールの実現に向けて
・PDF版はこちらをクリックしてください →news287.pdf

■ トピックス
  今年度で18年目を迎えた関西支部の活動紹介

近畿大学理工学部、品質管理学会理事 岩崎 日出男

 品質新時代に応えるべく関西支部は、関西地区の主要企業における品質・安全確保として品質管理情報基地の活動基盤構築に取り組んでいる。

 関西支部では最も会員数が多いときで約600名、現在は、平成3年の支部発足時とほぼ同じ約500名の会員から組織されている。関西支部の組織は図1のように表される。 支部長以下、総勢28名の役員と支部事務局2名の体制で支部会員へのサービスと各行事の運営を行っている。

 



 第37年度の関西支部の各役員を表1に示す。2ヶ月に1回開催している全役員による「合同役員会」は、講演会、シンポジウム、研究発表会、事業所見学会、QCサロンの主要行事に対する計画内容の検討と実施結果のフォローや活動の方針を議論するなど支部全般についての重要議題を決定している。第37年度の各行事計画とその実績を表2に示す。


 主な行事実績としては、4月7日(月)に実施した第120回シンポジウム「製品経年劣化事故に対する消費者保護のあり方」は92名の参加者の下で、消費者、メーカー、行政、学識者からの多くの課題と解決策に対する有益な討論が行われた。また、5月9日(金)に実施した第103回講演会は、岡部氏(デンソー相談役)、永田氏(大阪ガス常務取締役)からメインテーマ「品質力・組織力向上に向けて(リーダーの役割)」をもとにご講演いただき、128名の参加者から活発な質疑がなされた。
 9月19日(金)の研究発表会では、今年度から優秀発表賞を新設することにより多くの会員からの発表エントリーを促す結果となり、特別講演1件,研究発表10件,事例発表5件で実施された。
 また、合同役員会開催後に、支部会員の誰もが自由に参加できる「QCサロン」を開催し、缶ビールとおつまみで話題提供者への質問や昨今のQC界のさまざまな話題に議論を咲かせ、会員間の親睦を深めている。
 関西地域は、世界的大規模企業も数多くあるが、中堅・中小企業も多く、それぞれの特色のもとに世界中で活躍している企業が多い。これらの企業の国際競争力をさらに高めるために、関西支部が品質管理を通じて貢献していければ幸いと考えている。


■私の提言
 利益にも品質がある!「利益の品質」を見える化するために

積水化学工業株式会社 近藤 賢

 昨今、食品偽装をはじめとして企業の不祥事が頻繁に報道されるようになった。この様な報道に触れる度に、会員の皆様も私同様、非常に残念で悔しい思いをつのらせているのではないだろうか。何故、この様な不祥事が最近になって多発する様になったのだろうか?企業の倫理意識の低下?いや、私はそうではないと信じたい。恐らく、この様な問題は昔から企業の中に、少なからず潜在していたのではないか。それが、企業の社会的責任(CSR)という時代の求めに従って、内部告発などの形で顕在化してきたと見るのが自然かもしれない。
  それでは、問題の根本原因を絶つ為に私たちは何をなすべきなのだろうか。根本原因とは、言うまでもなく経営トップの「目先の利益(の大きさ)」優先という姿勢であることには、大きな反論はないと思う。
  私はここで「利益の品質」という言葉を声を大にして叫びたい。製品やサービスに品質があるのと同様、利益にも品質があるのだ。儲かりさえすれば何でもあり、ばれなければ良い……という様な「品質の悪い目先の利益」は、今や企業にとって命取りであり、決して追い求めるべきものではない。企業の利益は正当で公正な事業活動のみによって生まれなければならない。
  この様なことを考えているうちに、ひとつの大きな壁にぶつかってしまう。「利益の品質」とは、どの様にして測られるのか……という課題である。私自身、「利益の品質」を見える化する指標って一体何なんだ?というやっかいな課題にぶつかってしまった。
  会員の皆様、いかがですか?皆様の会社では、何か「利益の品質」を測る指標をお持ちですか?もしお持ちであるなら、是非そのノウハウを広く公開して社会の為に役立てていただけませんか?仮に、もしその様な指標が存在しないなら、今こそJSQCが中心になって、有効な指標の研究を進めてみたらどうだろう。この様な取り組みは、きっと、21世紀型TQMの普及と展開に大いに貢献すると思うのだが、いかがだろうか。


わが社の最新技術

  高精度で信頼性の要求される微少流量の測定とコントロールの実現に向けて
ブルックスインスツルメント(株) 奥野 正博

微少流量の制御を求めて
  従来から少流量の計測や制御に使用されてきた技術には、ある程度の誤差を許容することが余儀なくされていました。その結果、研究者やプロセスエンジニアは要求されている精度を実現するため与えられた情況・条件下で解決方法を模索してきました。
  弊社の開発した小型コリオリ流量計、流量コントローラ"QUANTIM"は液体の性質や状態に関わらず、質量流量の計測や制御を直接に行うことが出来ます。

ポンプによる計測
  多くの場合、プロセス実験で使用される流体は"体積"よりも"質量"で計測されることが重要です。しかし、ポンプによる計測は"体積流量"であり"質量流量"ではありません。又、ポンプはメカニカルな部品があるためメンテナンスが要求され、コスト高の要因になります。

はかりによる計測
  質量流量の正確さを追求するため"はかり"が利用されることがあります。精密な質量測定をおこなうためには、気流、温度変化、振動など測定に影響を及ぼす環境からはかりを隔離しなければなりません。そのため取り扱いがとても面倒になります。

サーマルマスフローによる計測
  サーマルマスフローは長年精密な流量の計測制御に使われてきました。サーマルマスフローは、間接測定法でありプロセス変化に対してはその正確さにブレが生じる可能性があります。又、流体の種類、温度、密度、圧力、及びレシピの変化によって、その精度は低下します。

コリオリ式流量計
  先に述べた問題を解決するのが、コリオリテクノロジーを用いた流量計"QUANTIM"です。コリオリ式流量計の特徴は次の通りです。
(1)質量流量を高精度に計測することが可能
(2)密度計測が可能
(3)測定可能な液体の範囲が広い
(4)メンテナンスがしやすい

  "QUANTIM"の優れた汎用性は
(1)化学触媒の研究
(2)精密コーティング
(3)化学物質の注入/添加システム
(4)真空薄膜コーティング
(5)定量ポンプの制御
(6)基準器
(7)高圧ガスの高精度計測や制御
など、広く産業界で活用されています。

  品質管理の上で、特に正確な流量制御、又、高精度な質量流量の計測が要求される場合、"QUANTIM"を導入する事により、その能力は最大限に発揮され大きな改善に寄与できるものと考えております。


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