JSQC 社団法人日本品質管理学会
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学会誌「品質」
JSQCニューズ
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JSQCニューズ 2008 6月 No.285

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■トピックス:学会の今後の広報活動について
■私の提言:マネジメントシステム規格(MSS)の動向に注目を
・PDF版はこちらをクリックしてください →news285.pdf

■ トピックス
  学会の今後の広報活動につい

広報委員会委員長 根岸 達夫

学会活動を内外に広く知らしめることは当学会の社会に対する役割と責任を果たすことでもある。広報委員会は他の委員会の広報支援を担当するとともに、JSQCニューズの発行および中期計画の「共通」領域のテーマである『学会の社会認知度向上』を目指した施策の立案と実践を主な活動内容としている。

広報委員会の役割
広報委員会の役割は「学会の活動に関する情報の提供並びに各委員会における広報活動の支援に関する事項を担当する。」ことであり、以下の基本的考え方にもとづき活動を行なっている。
1)
本会及びその活動を広く知らしめ、品質管理関連の情報を発信する。
2)
JSQCニューズ、ホームページ等の広報媒体を利用し、会員に本会並びに品質管理関連のニュースを速報する。
3)
会員に対話の広場を提供する。
4)
会員に品質管理の教育・研究に関連する情報を提供する。
5)
学会誌編集委員会、国際委員会、庶務委員会、事業委員会等他の委員会の広報活動を支援する。
6)
Web掲載情報の管理。
更に本年度は
7)
報道機関を利用した学会活動の学会外への広報活動。
を基本活動項目に加えた。その目的は当学会のミッションの根本を見据え、JSQCニューズ、ホームページで何を発信すべきか、これらの媒体の役割、内容、発行時期等を再度見直し会員の皆様に迅速に適切、有益な情報を提供すること、および外部に対しては報道機関を通して日本の技術・産業のコアコンピタンスである品質の重要性を発信し続けることにある。

JSQCニューズ
JSQCニューズの「私の提言」では、日頃考えたり疑問に思っていること等、自由な意見の投げかけを期待している。また「トピックス」欄では、今後ますます活発な論議を要するであろう「医療の質」、「QMS」等の部会関連の最新情報に加え、中部、関西各支部での活動状況を取り上げることを予定している。

中期計画
広報委員会の中期計画では『社会認知度向上』をスローガンに掲げ、二つのテーマについて具体的に行動計画を作成中である。一つはホームページへの「アクセス数の増加」である。そのためには学会がこれまで蓄積してきた貴重で有益な研究成果を広く世の中に発信することが必要である。具体的な施策の一つとして、『品質』誌の巻頭部の「特集にあたって」を2008年発行分からホームページ上で紹介することにした。これにより会員外の方に品質管理学会への関心を高めていただければと考えている。
また既存の『コミュニケーション』の利用を促し、開発、生産、品質保証の担当者のみならず企業活動に携わる全ての人たちが双方向で自由に意見交換が出来るよう「意見交換の場」や「品質管理相談室」の利便性を図る。
もう一つの施策は「メディア取り上げ度」アップである。不幸なことではあるが最近の日本国内の品質に関する報道をみると石油・ガス器具での一酸化炭素中毒事故、家庭用シュレッダーでの指の切断事故、経年劣化による家電製品の火災事故等々製品の品質・信頼性に関するものであった。更に極めて遺憾なことに、偽装・改ざんの風潮は食品、建設などの一企業に止まらず、業界ぐるみにまで浸透していたなど、企業の倫理観そのものが問われる事故(事件)がマスコミをにぎわしている。そんな中にはISO9000の認証取得をしていたりTQCやTQM活動を実践している企業もあると推察される。これらの品質活動が何のための活動だったのか、形骸化していないかどうか、認証取得、実践のあり方を根本的に考え直す時期にきている。それを主導することも当学会の使命であろう。
コンプライアンスも『品質』と言う枠組みで捉える必要が出てきている昨今、日本品質管理学会がカバーすべき領域が拡大してきている。是非、日本の産業界の手本となる『Quality』が報道されたいものである。


■私の提言
 マネジメントシステム規格(MSS)の動向に注目を

財団法人 日本規格協会 橋本 

 会員の皆様には「釈迦に説法」とは思うが、ISO規格等の国際標準が脚光を浴びてきたのは、欧州、特に英国の規格を基に、ISO9001(QMS)やISO14001(EMS)等の規格が作成され、さらにこれらの規格が第3者認証として用いられたのがきっかけだと言っても言い過ぎではないと思う。これらのマネジメントシステム規格(MSS)がISO化されるまでは、製品、試験方法、用語などの規格が大勢を占めていた。
  現在ではこれらに加えて、ISO27001(ISMS)やISO22000(FMS)等の第3者認証用のMSSも発行されている。
  最近は消費者のニーズにより、ISO/COPOLCO(消費者政策委員会)から提案されたSR:社会的責任(ISO26000)もISO化のための検討が行われている。ただし、各組織でのSRの取り組みは、こういった規格ができる前から、社会からの求めに応じて取り組んでいるのが現状である。
  新しい分野では、2001年9月の米国同時多発テロの発生を背景に、2003年に米国から提案が行われているセキュリティマネジメント(ISO22300)、組織の全てのリスクを対象とした管理指針として、オーストラリア及び日本から提案されたリスクマネジメント(ISO31000)、他にも災害や事故等で重大な被害を受けても組織活動への影響を最小にするための事業継続マネジメント(BCM)(ISO/PAS22399)、さらに、エネルギーマネジメント、道路交通安全マネジメントシステム等の検討も行われていると聞いている。
  これらの国際規格は全てがMSSになるわけではないと思われるが、ビジネスパスポートとしての認証、組織のパフォーマンス向上又は改善等、どのような形で組織に影響を及ぼすかの予測は難しい。しかし、組織としてこれらの新しい動きは監視する必要があるのではないか。
  また、ISOでは、ISOブランドを守るすなわち規格ユーザーのニーズに合ったMSSを作成するために、ISOにおける将来のマネジメントシステム規格の在り方に関する議論が始められ、さらに、実務者レベルでは、複数のMSSを同一組織で支障なく使用するために、ISOで開発された、又は開発されるMSSの整合化を図るためのジョイントビジョン、規格構造に関する議論が始まっているともいわれている。


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