サンデン・グループでは「顧客の満足する品質」を起点とした活動の過程で、下記項目に係わる組織能力を向上出来ました。
−管理技術・手法の習得
<SQC・QC7つ道具・他>
−会社の力の結集(ベクトルの一致)
<方針管理>
−企業の質の向上(飽くなき追及)
<PDCAサイクル>
−論理的考え方、整理・整頓、改善の思想
2007年度デミング賞本賞が牛久保雅美(サンデン(株) 代表取締役会長)に授与されました。サンデン(株)は1998年、デミング賞実施賞を受賞し、その後、2002年に日本品質管理賞を受賞しています。サンデン・グループでは、これまで、国内3社・海外2社がデミング賞実施賞を、国内2社がTQM奨励賞を受賞しています。
サンデン・グループでは、国内3,000名、海外11,000名を越える社員が世界各国で勤務しています。言語も文化も異なる人々が自動車機器や自動販売機など流通機器の生産・販売に勤しんでいます。トップの深い思い入れの下、TQMの原点/QCサークル活動を世界23カ国・52拠点においてグローバルに展開して来ています。
昨年10月19日、第3回STQM世界大会を仏国パリの北西で開催し、東西欧州178チーム、米州83チーム、中国・中近東を含む亜州370チーム、及び日本500チームの代表200人の社員が集い、「挑戦と改革の企業文化を基本として、人間性尊重の精神に溢れた自由闊達な組織文化を築き、成長していく」ことを再確認しました。第4回STQM世界大会は、2009年10月米国での開催を予定しています。デミング博士が、自らが教えた品質管理技術を日本の産業社会の中で日本人が、いかに実践し、後の日本の経済力を築き上げたかを観察されて纏められた「デミングの14ポイント」をサンデン米国法人で展開しています。
当社でもピーター・F・ドラッカーの経営論を大いに参考にしていますが、ただ一点意見を異にするところがあります。氏は知識労働者(know-ledge worker)と非知識労働者(manual worker)を区別しています。マネジメント(プロセスの追及)は知識労働者の仕事であるとしているようです。当社では、全社員14,000人が知的勤労者であるとの確固たる信念を抱いて小集団活動を展開しています。ですから、QCサークルは工場・製造現場だけでなく、社長以下、取締役・経営幹部のQCサークルをMARPと称して展開しています。
今後も当社は、デミング博士の品質管理・経営哲学を日本・米国、更にグローバルに展開して行く所存です:「TQMは人間尊重と和の精神に基づいた経営の考え方であり、QCサークル等のチーム行動により、勤労者に自己実現と仕事の喜びを享受する機会をもたらす」。このデミング博士の信念は、サンデン創業の精神
「知を以て開き 和を以て豊に」
に通ずるところがあります。
改めて振り返ってみますと足元が覚束なくなっているのではとの危機感もあります。1998年のデミング賞実施賞受賞以来、サンデン・グループはグローバルに数々の品質に関する賞を受賞して来ましたが、現在、慢心・緩み・形骸化などによってその製品品質・経営品質の水準が下がっているのではないかと危惧しています。急速なグローバル化の進展で不透明さが増す中、企業間競争が益々激化しています。一流を極め、グローバル・エクセレント・カンパニーを目指して行くため、全社員ひとり一人が、気持ちを新たに初心に帰って次に定義しているSTQM(サンデンのTQM)をもう一度徹底し直して行く所存です。
「個々のマネジメント品質、及び、結果品質を徹底的に向上させて、21世紀に繁栄する会社を創り上げるため、毎日、毎日の創造改革努力を積み重ねる行動である。」