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学会誌「品質」
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JSQCニューズ 2004年6月 No.253

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■トピックス: JOQI、8つの部会による“新しいシステム・しくみ”の提案
■私の提言:アジアへ行こう。インドへ行こう。AQSでエネルギーを取り戻そう
・PDF版はこちらをクリックしてください →news253.pdf

■ トピックス
  JOQI、8つの部会による“新しいシステム・しくみ”の提案


日本ものづくり・人づくり質革新機構 事務局長 慈道 順一

 日本ものづくり・人づくり質革新機構(Japan Organization for Quality Innovation:略称JOQI、理事長:高橋 朗(株)デンソー会長)は、5月28日経団連会館にて、第4回総会を開催し、3年間の活動を終了し、JSQCを始めとする諸団体に今後の活動を引き継ぎました。
  8つの部会が、新しいシステム・しくみを提案し、部会活動報告書にまとめました。

□高橋 朗理事長の喜びの挨拶
 経済産業省を始めとする国の諸機関およびJOQI会員各位のご支援に感謝されると共に、部会長・部会員のボランティア活動による研究開発成果を高く評価されました。
  開発成果が、企業・業界の"ものづくり・人づくり"に、国の諸施策に活用されることを期待しています。 "里親(国の諸機関・諸団体)"にて、さらに成果を研き、発展させて欲しいとの諸団体への期待が述べられました。

□経済産業省 藤田 義文産業機械課長のご祝辞
 故小渕首相の"ものづくり懇談会"の展開の一環として、このJOQIの活動に協力してきました。3年間の短期間にも拘わらず、有意義な各種提案を戴きました。高橋 朗理事長の提案が、国の人材育成などの施策に活用できるように今後とも協力をしたいとのご祝辞がありました。

□8つの部会による新しい"システム・しくみ"の提案
 "日本型経営モデル"を構成する8つのテーマの成果が、報告書にまとめられ、公表されました。(*)
(1)新商品開発部会:「ものがたり新商品開発」(A5版)と題する物語風の小冊子を作成し、まもなく出版予定です。
(2)ビジネスプロセス革新部会:生産プロセスの具体例が「ビジネスプロセス革新の最前線」にまとめられました。
(3)顧客価値創造部会:「顧客価値創造ハンドブック─製造業からサービス業・農業まで感動を創造するシステム─」(A5版)が出版されました。
(4)経営システムの自己診断法開発部会:「経営システムの自己診断方法」と「付録 自己診断表一覧」が作成され、出版およびweb公開を準備中です。
(5)経営幹部づくり部会:「技術系経営幹部育成プログラム提言報告書」が作成され、経営者育成の提言がされました。
(6)クオリティの専門家づくり部会:「ものづくり再生のためのクオリティ専門家養成に関する提言」が作成され、国の施策における採用が検討中です。
(7)職場第一線の人づくり部会:「職場第一線人づくり・実務ノート」に加えて、「職場に夢を個の成長を目指して」(最終報告書)が経営者に提言されました。
(8)医療の質向上部会:「ISO9000を機軸とする医療マネジメントシステムモデルの構築」がまとめられ、国の標準化事業に活用されました。

□"里親"による成果の普及・展開
 JOQIは、高橋 朗理事長の願いから産官学の大同連携を目指した活動を進めてきました。その成果は、経済産業省を始めとする行政機関や日本規格協会、日本科学技術連盟およびJSQC等の所謂"里親"に引き継がれ、成果の普及・課題の展開等は、里親の今後の活動に委ねられることになりました。

*成果報告書(13種類)200セット限定
1セット12,600円(消費税・送料込み)
問合せ先:JSQC事務局


私の提言
  アジアへ行こう。インドへ行こう。
  AQSでエネルギーを取り戻そう。


財団法人 日本科学技術連盟 嘱託 安藤 之裕
 いよいよ、本年8月16日〜19日インド(ニューデリー)にて行われる、第2回アジア品質ネットワーク(Asian Network for Quality:ANQ)Congress 及び第18回アジア品質シンポジウム(18th AQS)が迫ってきました。もう、お申し込みはお済みでしょうか。(詳細は当学会ホームページをご覧ください。)
 本シンポジウムは、従来KSQM(韓国)、CSQ(Chinese-Taipei)とJSQCの3組織が開催してきたものを、昨年のANQ設立を機にアジアにおける12の品質に関する組織が開催するシンポジウムに拡大し、グローバル社会におけるアジア品質の更なる向上を目指して議論しようというものです。著しい変貌を遂げているアジアの品質リーダー達と交流し、中でも、色々な意味で「中国の次」とされるインドを体感できる絶好の機会として、広く本会会員の皆様にご参加をお勧めしたいと思います。
  最近、インドやタイを訪問して感じることは、まさに、その圧倒されんばかりのエネルギーです。1400名を超す参加者で大盛況となった昨年の国際QCサークル大会(ICQCC2003)時に多くの日本人参加者が感じたあの大きなエネルギーです。何でも吸収してやろうという貪欲なまでの知識欲と失敗を恐れず挑戦する積極性そして、いかにもアジア的な人なつっこさと言えるものでしょうか。そして、それが、今、着実な変貌を遂げていると言えるでしょう。GDPの急激な成長に見られるようなマクロ指標の他にもミクロ的にも着実な変化が現れているようです。私がお会いしたインド南部ケララ州出身の方の村では、総世帯数約800の内、5年前には自動車を持っている家など無かったのが、現在ではほぼ300世帯が持つようになったということでした。
  それに対して、やっと景気面では薄明かりが見え始めてきたとはいえ、今、我々日本の品質関係の人々はしらけてしまっていないか、熱い志を失ってしまい小市民的になっていないか、新しい挑戦に対して消極的になっていないかと感じています。あるいは「品質ならば絶対に負けることなどありえ無い」と傲慢になってしまっていないかとも感じております。「まだまだインドなんか」「わざわざインドまで」とお考えの会社は、遠からず電話帳から消えてしまうのではないかと懸念しています。
  今、まさにNHK大河ドラマの舞台ともなっている幕末から明治にかけての人々の熱意とその膨大なエネルギー、そんなことを思い起こさせてくれるのが今のアジアでありインドであると思う次第です。
  そうだ、アジアへ行こう。インドへ行こう。AQSでエネルギーを取り戻そう。


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