品質管理が、日本の企業発展に大きく貢献してきたことは改めて申し上げるまでもないことと思います。しかし、昨今の品質にまつわる諸問題を考えるとき、強かったはずの日本における品質管理が迷走しているのではないか、その結果として品質保証力が弱体化しているのではないか、と疑われることもあります。
このような状況を考える中、日本品質管理学会では、会員の皆様へのサービス活動の一環として、狩野紀昭前会長のご発意で、品質管理に関する会員相互の疑問などに関する相談室開設を準備して参りましたが、このたび学会ホームページに品質管理相談室を開設することとなりました。URL://www.jsqc.org/ トップページからご利用ください。
なお、以下に、本相談室の目的、運営方法、約束ごとについて説明いたします。
1. 目的
品質管理に関する会員の皆様の疑問や悩みをホームページ上の相談室欄にご投函いただき、会員の皆様からのご回答、ご意見によって相互に疑問や悩みごとを解決していくことを第一の目的としています。また、学会として、寄せられた相談内容を特別委員会レベルで集約し、研究発表会等適当な機会に公開することで、学会としての発展に寄与することも目的としています。したがって、投函いただくことは、品質管理に関連する内容であれば、その範囲を特定することはありません。
2. 運営方法
本相談室は、会員の皆様の自主的な参画による運営を基本としています。したがって、投函された質問のすべてに回答が寄せられることをお約束するものではありません。また、回答は、会員相互のある意味で自由な考えで十分であり、学会レベルで整理されたものである必要もありません。しかし、会員相互の「質問投函→回答投函→質問投函→回答投函→・・・」の連鎖によって、最終的には、理論面からも実践面からもすぐれた内容となることを期待いたしております。なお、特別委員会には、学会理事をはじめとする多数の委員にご協力いただいております。
3. 約束ごと
本相談室は、会員各位のご協力によって成立するものであることから、参画いただく方々の誠意ある態度がなければ運営がかないません。
また、会員各位の自由な討論の場としての運営が基本であるため、各位からの積極的なご回答をお願いします。
4. 日本品質管理学会への反映
本相談窓口に寄せられた内容から、日本品質管理学会として緊急に取り上げるべきもの、中長期的な視点から検討することが望ましいものなどを、品質管理相談室特別委員会が整理した上で、本学会の主催する研究会および総会において、報告する予定です。
5. 将来計画
品質管理相談室は将来構想として、個別の相談内容に対して専門委員を配したコンサルタント形式の相談室も企画しております。しかし、その実施には、この公開討論の実績が重要であり、その意味でも、会員各位のご協力をお願いする次第です。
6. 最後に
品質管理相談室の開設に際しては、JSQCの第31年度、32年度理事の方々をはじめ、Web特別委員会委員長・兼子理事にお世話になりました。この場をかりて、感謝申し上げるとともに、関係各位にはさらなるご協力をお願い申し上げます。
最後に、本相談室の主人公は会員各位です。皆様の品質管理相談室への積極的なご参画をお待ちいたしております。