経営者にとって品質は当たり前、日夜売上増加、コスト削減に奔走し叱咤激励する。しかし一端品質問題が起これば品質部門を攻める。そこに従事するものは何でワシらばかり責められるのかと不満が募る。
おまけに人事評価も多職能に比し低く、昇進、昇格も遅れ気味。これらが続くとQCだけはやりたくないとの思いが強くなる。一寸極端な表現をしたが、こんな光景を何度となく見たり相談を受けたりした。
その都度品質管理業務推進は難しい面があるが、企業の根幹をやっているので必ず役立つから頑張れと励ましてきた。
このような光景はTQM活動をよく推進している企業でも多かれ少なかれ現場第1線で見られるのではないか。
そのような中で現場第1線で毎日泥臭い改善活動・維持活動をやっている若い人達に対してQC学会入会を勧めても“メリットがないから入会しない"という。
確かに私自身も常日頃そう感じている面もあるのでそれ以上薦めることが出来ない。
QC学会を現場第1線からみて魅力的なものに変身するにはどうすべきか、会長が発信されている“会員の会員による会員のためのJSQC"を目指してゆくにはどう変革したらよいか今1度素直に考えてみる必要がある。
学会といえども現場から遊離してしまえば単なる学問で大学や一部の人の同好会になる。
最近現場の問題解決にすぐ固有技術的に対策を打つ傾向がますます強くなり、管理技術的対策が弱くなっていると感じている。
品質管理は実学であり、それをリードする学会としてはQCに関する先端的な研究発表・交流の場など本来的な活動と共に
- 現場の課題を取り上げ管理技術的に解決するための研究・交流する場
- 現場の課題解決の駆け込み寺的な運営・サービス
など強化する必要があると考える。
特に・の研究成果は“品質誌"で公開し会員外にも配布すればもっと学会の存在感が増し、魅力的なものになると確信する。
今日本は最大の危機に瀕している。QC面から何が出来るか、学会全体で課題事項をあげ本部支部での独自の計画以外に共同課題として取り上げ新しい形態の研究会やシンポジウムを企画し企業にPRしてはどうだろうか。
現場を直視し、現場と目線をあわせた活動をもっと強化して物づくり日本の復権にQC学界がリーダーシップをとりたいものである。