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学会誌「品質」
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JSQCニューズ 2001 12月 No.233

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■トピックス「国立情報学研究所との覚え書きの締結」
■私の提言「研究発表と特許申請」
・PDF版はこちらをクリックしてください →news233.pdf

■ トピックス
  国立情報学研究所との覚え書きの締結

中央大学教授 中條 武志 投稿論文審査委員会
品質誌の論文・記事が電子図書館で検索・読めるようになりました。

1.NACSIS-ELSとは

日本品質管理学会は、2001年8月 日付けで国立情報学研究所(以下NIIと略す)と電子図書館サービス(NACSIS-ELS)に係る覚書を締結しました。NACSIS-ELSは、日本の学協会が発行する学術雑誌から論文・記事を探し、表示したり印刷したりすることができるサービスで、大学等の教員・院生の他、学会の正会員なども利用できます。

今回の締結により、自分のワークステーションやパソコンを使って、品質誌の論文・記事を標題や著者名などから検索することができるようになります。また、NIIへ利用登録することにより、本文を表示したり、印刷することもできます。

2.検索サービスの利用

検索についての利用方法は簡単です。Internet ExploreやNetscapeなどのWeb閲覧ソフトを用いて、NIIのホームページhttp://www.nii.ac.jp/index-j.htmlにアクセスし、サービスの一覧にある【NACSIS-ELS】をクリックしてください。

検索は雑誌名からと論文名・著者名からの両方ができます。雑誌名からの検索を選んで、「対象項目」を「Journal」、「検索語」を「品質」にして【検索開始】を押すと、収録雑誌として「品質」が表示されます。

ここで、【一覧】を押すと収録されている巻・号のリストが表示されます。見たい巻・号の【表示】を押すと目次が表示され、一つ一つの論文・記事の表示・印刷ができるようになります。

論文名・著者名からの検索を選ぶと、論文名、著者名、雑誌名、年、巻、号、キーワードおよびこれらを組合せた検索ができます。

3.表示・印刷サービスの利用

論文・記事の本文を表示・印刷するためには、利用登録が必要となります。NACSIS-ELSのページの【利用申請】をクリックし、「国立情報学研究所情報検索/電子図書館利用申請書」をダウンロードし、印刷・記入の上、NIIまで郵送で送って下さい。1〜2週間で、利用者番号とパスワードが送られてきます。なお、利用申請書の所属学会の一覧には必ず「日本品質管理学会」を書くようにしてください。これにより品質誌の著作権使用料が無料となります。

また、企業等に所属されている人の場合には、「利用者証明等記入項目」に学会の正会員であることの証明が必要となりますので、返信用封筒を同封の上、JSQC事務局宛郵送で依頼してください。

利用者番号とパスワードを使って実際に頁を表示・印刷するためにはプラグインソフトウェアが必要です。これはNACSIS-ELSのページから簡単にダウンロードできますので、使用しているOS等を確認した上で、インストールしてください。

本文を表示させると最初は解像度の低い画面で表示されますので、【画像切替】のボタンをクリックしてください。【前頁】や【次頁】のボタンで頁を送ることができます。

4.今後の予定

現在は、品質Vol.28、No.1(1998)〜Vol.31、No.3(2001)が収録されていますが、最終的にはVol.1以降すべての論文・記事が利用できるようなる予定です。また、新たに発行される巻・号については2ヶ月後に順次収録されます。NACSIS-ELSには、日本経営工学会、日本オペレーションズリサーチ学会、信頼性学会、日本統計学会などの雑誌も収録されています(一部有料)。是非一度利用してみてください。

■ 私の提言  研究発表と特許申請

東京工業大学教授 圓川 隆夫
ソフトやビジネスモデルの特許も当たり前化している昨今である。筆者の身の回りでも授業の演習の課題から出た学生のアイデアの特許出願や同時にベンチャーキャピタルの支援による株式会社の話もある。一方、大学の学生や研究者にとって自分の研究成果を大学や学会の研究集会で発表するのは重要かつ当然の行為である。それが特許庁の指定を受けた学会でなく、大学が開催する博士論文や修士論文、あるいはセミナー、シンポジウムにおいて発表してしまったために、それが公知の発明となり、特許取得が出来なくなったという事例が起きている。

米国の先発明主義に対して世界の大勢である先出願主義をとるわが国では、発表の前に出願すれば問題はないのだが、特に時間的に切羽つまった状況で行われる修士論文ではそうはいかない。これは大学が「特許法第30条に基づく新規性喪失の例外」による指定を受けられないための問題である。この指定を受けた学術団体の研究発表では、発表の証明文書(予稿集や発表原稿)の管理を適切にすれば、発表後6ヶ月の出願の権利保全確保出来る。多くの学会ではこの指定団体として認可されている。

筆者の大学はこれが問題なり、大学も指定団体となれるよう特許庁に交渉したところ案外素早い対応がなされ、近々にも特許法30条に基づく新規性喪失の例外とする指定基準の改正が行われることになった(平成13年末か14年はじめ)。ただしこれにより自動的に各大学が指定されるのではなく、個別に特許庁に対して指定申請を行う必要がある。

ところでこの騒動で、わが日本品質管理学会が指定団体になっているか特許庁のホームページ(http://www.jpo.go.jp/indexj.htm)で調べると、何となってないではないか。慌てて事務局に指定申請をすべく建議した次第である。いくつかの経営工学関連の学会でも同様であり、学会設立された頃には特許はハード中心でその必要性はなかったことによると思われる。しかしながら現在は冒頭に述べたように状況は大きく異なる。指定を受けるとともに研究発表だけでなく、研究会での発表はどうするか等の管理、運営ルールも整備する必要が急務であろう。


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--------The Japanese Society for Quality Control--