30周年記念シンポジウム開催される!
去る5月25日(金)、本学会創立30周年を記念したシンポジウム並びに2001年度品質管理推進功労賞授賞式が早稲田大学国際会議場において、また同祝賀会が大隈庭園を望むガーデンカフェテリアにおいてそれぞれ盛大に開催されました。当日は平日にもかかわらず、絶好の五月晴れのもと、250名以上の参加者を得て成功裡のうちに無事閉会となりました。
<シンポジウム・プログラム>
開会挨拶 |
狩野 紀昭 氏 (社)日本品質管理学会 会長 |
品質管理推進功労賞 授賞 |
基調講演 |
椎名 武雄 氏 日本IBM(株)最高顧問 |
パネル討論会 |
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パネリスト: |
橋本 寿朗 氏 |
(法政大学 教授 経営学部) |
藤田 昌宏 氏 |
(経済産業省通商政策局アジア大洋州課長/
元 産業機械課長、「ものづくり懇談会」事務局) |
橋 朗 氏 |
(デンソー会長/元トヨタ自動車副社長) |
橋詰 昭夫 氏 |
(九州松下電器 品質本部品質管理部部長) |
パネル司会: |
狩野 紀昭 氏 |
(東京理科大学 教授・当学会会長) |
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<30周年記念シンポジウム開会の辞(要旨) 狩 野 紀 昭>
本学会設立30周年を迎え、まず、設立時からの会員の方々に感謝を込めて拍手を贈りたいと思います。設立時の70年代は、高度成長期の真っ直中にありました。80年代は、日本が世界経済の檜舞台に飛び出し、品質管理は大ブームとなりました。しかし、90年代のバブルがはじけてからは苦難の時代となり、今日、品質危機とも言うべき情況にあるこも率直に受け止めなければなりません。このような中で30周年記念事業を行うに際して、過去の回顧よりも将来の新たなる発展をめざして次のような企画で進めています。
第1の企画は、本学会の圧倒的多数を占める産業界からの会員向けの品質管理推進功労賞の創設で、本日、その第1回授賞を行います。日本における品質管理推進の特徴のひとつは、推進者が黒子に徹するということで、表舞台で脚光を浴びるシックスシグマのブラックベルトとは対照的です。本賞が、黒子として品質管理を推進している方々の励みとなり、品質向上に役立つこと願っています。
第2として記念誌「歩み」の刊行、第3として記念シンポジウムの開催があります。今後進めて行く企画として、学会Web機能の強化による会員サービスの向上、研究助成活動の推進、QC相談室の開設、ならびに、中部・関西両支部における記念事業があります。
以上の事業の実施には、2000万円位の資金が必要となり、名誉会員・正会員にご寄付を、賛助会員会社には特別会費をお願いしていますが、好調な滑り出しが出来ました。この場を借りて御礼を申し上げるとともに、未だ、申し込まれていない方、特に、正会員の皆様に、是非、ご協力の程をお願い申し上げます。
本学会正会員数は、1992年3354人がピークで、その後年々減少し、4月末にはついに2600人を切るところまでに追い込まれました。そこで、ピーク時の会員数を回復するという願いを込めて「皆(3)さん(3)来い(5)よ(4)」というスローガンのもとに、特別キャンペーンを開始しましたところ、大変ヒットしまして、昨日までに約330名の方からお申し込みを頂いています。
品質管理界も明るい陽ざしが差し始めて来たような気がしています。今回のシンポジウムが、その切っ掛けになり、21世紀の経営に取って、新たな意味で品質管理の重要性が増すことになればと期待しています。
<祝 辞> |
平沼経済産業大臣からの祝辞 →
ASQ会長G.H.ワトソン氏からのメッセージ → |
<基調講演>
日本アイ・ビーエム枕ナ高顧問 椎名 武雄 氏
−物づくりから人づくりへ−
1980年代前半までの日米の品質には、大きな隔たりがあった。IBMにおいても Market Driven Quality
と称し、日本的品質管理を推進し、著しい品質向上がなされた。現在2つの米国企業の役員を兼ねているが、これらの工場には、“customer”、“quality”、“team
work”という標語が大きく掲げられ、かつての日本をはるかに上回る活気を呈している。現場への権限委譲、組織のピラミッド化からフラット化へ、そしてITを用いたフラットな組織のもとでの情報の共有化と透明性により、アメリカの人質が高められている。70年代の右上がりの経済とは異なる我が国の環境下、過去の栄光に甘んずることなく、新しい設定条件の下でのTQMに変わらねばならない。21世紀に再び光り輝く国を目指して。(要約文責:鈴木和幸)
<パネル討論会>
−21世紀の経営とクオリティ−
経営に役立つ品質管理というためには、国際情勢、日本経済の動向を踏まえた上で、経営を考え、その上で品質管理がどうあるべきかを問題に国際情勢、経済、経営、現場の立場からパネリストの皆さまからお話しいただきました。また、パネリスト間での意見交換やフロアとの活発