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『品質オールジャパン連合:JAQの発足に向けて』連載記事

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連載記事その6『DMG森精機 TQM推進元年』森 雅彦 氏(DMG)

2021年06月29日 『品質オールジャパン連合:JAQの発足に向けて』連載記事, トピックス, JAQ活動行事

「DMG森精機 TQM推進元年」

DMG森精機株式会社
代表取締役社長 森 雅彦 氏

 当社は1948年に繊維機械を製造・販売するメーカーとして創業しました。1958年に工作機械メーカーへと転身し、常に全世界のお客様の生産性の向上の為に不断の努力を行っております。1999年に私が社長に就任してからは約10年おきに変革の波があることを実感しながら経営に携わっています。最初に注力したのが「お客様の実際の声を聴きニーズに応えていくことが成長に繋がる」という仮説に基づき、海外での直接販売・直接サービス体制の構築でした。さらに2002年には日立精機(1936年創業)の事業を譲受し、国内の顧客基盤を固めました。2009年からはドイツGILDEMAISTER社(1870年創業)との業務・資本提携を進めました。ありがたいことに創業から70年以上が経ち、その間様々な変化を遂げてきました。

 「品質」と聞いた時、多くの人が「ものづくりの品質」を思い浮かべるかもしれません。たしかに我々工作機械メーカーは、工作機械の母性原理という言葉でも表される通り、製品の品質を決定づけるうえで大きな役割を担っています。その責任をひしひしと感じながら、創業当初より期待に応えるべく、緻密で高精度な機械を世に送り出してきました。しかし、品質の対象をただ製品に限って考えていては、日本における製造業は衰退の一途をたどります。設計から開発、生産、販売、サービス、各工程において「仕事の品質」向上を実現することが最終的なお客様満足に繋がるからです。

 当社では、創業以来大手自動車メーカーとの取引の中で、指導を受けて独自の品質管理(我流の手法)を見よう見まねで確立し、当社は世界で15万社のお客様に、約30万台の機械をお使いいただく企業に成長しました。しかし従来の我流の品質管理では世界のお客様の要望にお応えすることが難しい状況に直面しました。ここで原点に返り、更に仕事の品質をあげるべく、2017年から専門家の指導を仰ぎQCサークル活動を開始し、毎年発表大会を行ってきました。ここでの発表内容を見ていると、改善活動を通じて社員の仕事に対する意欲や意識が少しずつ変化してきたように感じます。一方で、一部の社員が未だ他人事のように思っているのも事実であり、全社的に改善活動の意識が根付いたとは言えません。今後より一層プロセス重視の活動を展開すべく、今年から活動方法そのものを大きく見直しました。第一線で活躍する社員一人ひとりが当事者意識を持って意見を述べ合えるよう10名以下の小集団を構成し、全員参加の活動を推進しています。そして、ここでの活動進捗について毎月報告を行うことで活動内容を見える化し、随時フォローアップしていくしくみを作りました。

  改善活動の成否は、実際に現場の業務を熟知している社員一人ひとりにかかっています。2021年3月現在、当社は51か国に、約12,000人が働く企業に成長しました。異なるバックグラウンドをもつ社員は当社の大きな強みですが、ここで重要となるのが、上層部がしっかりと方針を示すことです。まずは社員一人ひとりがTQM推進のプロセスを理解し、共通の方針に沿って行動し、自ら改善点を見つけ出し声を上げ、会社として軌道を修正していくということを、ここで改めて定着させたいと思っています。

 古き良き思考はそのまま継続していくべきですが、変化を恐れてはなりません。変わりゆく世の中に感度高く対応しながらも、工作機械メーカーとして決して忘れてはならないのが「製品の品質」はもとより「仕事の品質」です。お客様に選んで頂ける企業であり続けるために、社会に貢献できる企業であり続けるために、今ここで全社一丸となって品質経営に徹底的に取り組むとともに、日本の産・官・学を担う皆さんと、組織の垣根を超えて、日本の未来を共に支えていきたいと思います。