(1) |
救真2020
大久保第44年度会長が2015年6月に提言されたAll Japanの品質活動を代表し,支援する緩やかな連携組織,JAQの創設に向けて,第45年度に日本科学技術連盟,日本規格協会,日本品質管理学会の3団体合意方針を基に,第46年度も引き続き3者調整委員会での議論を進めました.3者調整委員会は,2017年3月よりJSQC会長経験者にコアとなる発起人の依頼作業を行い,名誉発起人(豊田章一郎,久米均), 代表発起人(前田 又兵衞,狩野紀昭,坂根正弘,大久保尚武)とする体制を固めました.小原副会長を中心に発起人やメンバーに呼びかけるリーフレット案の策定が行われました.2017年10月からは支援団体を中心に発起人への呼びかけ活動を開始しました.現在,設立後の事務局運営経費問題などについて議論するとともに,小原次期会長を中心に産業界でのJAQ形成合意を目指す活動が,日本科学技術連盟品質経営懇話会で開始されたところです.
しかしながら,学会の正会員数は,他の国内学会の多くと同様,減少傾向が続いていることは深刻に考えています.以下に述べる学会の組織改革方針は,学会のサービス向上というよりは,学会コア活動に会員が参加できる環境を強化するというものですが,JAQ創生による日本のQM活動支援環境強化とともに,他学会との連携も強化し,長期的に学会活性化に取り組んでいるところです. |
(2) |
究深2020
IoT,Industry 4.0,Big Data,AIなど,ビッグデータに基づく産業改革に如何に対応するかについてデータ系・品質系学術団体との研究連携活動を強化しつつあります.既に,人工知能学会会員に入会いただき,ビッグデータ対応に関する公募型研究会「製造業のためのビッグデータの解析あり方研究会」を立ち上げ主査を引き受けていただきました.JSQCが設立に協力し,客員教員も派遣した滋賀大学データサイエンス学部設立記念式典には学会長が参加しました.(一社)品質工学会(共同研究会立ち上げ企画),(一社)日本統計学会(2017年3月日本統計学会春季大会におけるJSQCテクノメトリックス研究会企画セッション開催),統計関連学会連合(2017年9月統計関連学会連合大会でJSQC企画セッション開催)との研究活動連携を強化しているところです. |
(3) |
求新2020
品質管理の新たな分野を切り開くために,第45年度にサービス学会と協働で「サービスのQ計画研究会」を立ち上げましたが,この研究会は日本品質管理学会,サービス学会,日本規格協会と共にサービス標準委員会の基幹組織となりました.サービスのQ計画研究会を中心に,2017年9月には,サービス学会共催で第161回JSQCシンポジウム「製造業のサービス化」を開催するとともに2017年11月にはオールジャパン体制での第2回サービス標準化フォーラムを上記3者共催で実施します.日本品質管理学会一学会で解決できない新たな課題をFMES,横幹連合などとともに議論してゆくために,2016年11月には横幹連合コンファレンスで,サービス学会との共同企画セッション,FMESとの共同企画セッションなどを立ち上げ,第5期科学技術イノベーション計画で提起されたSociety 5.0に対するJSQCとしての意見表明も行いました.
また,新中期計画で新たに取り組むこととなった自治体行政などの品質管理研究創成に関しては,サービスのQ計画研究会への川崎市の参画以外に,2017年9月に総務省行政評価局より依頼を受けて,総務省が全国自治体に対して初めて実施するEBPM(Evidence Based Policy Making)研修において,「データに基づく問題解決(120分)を日本品質管理学会が取り組むこととなりました.2017年11月以降,要望の有った10管区の研修にJSQC会員を講師として派遣することとなり,2017年10月に必要な共通教材案開発を行いました. |
(4) |
急進2020
第45年度活動方針に即して下記のような検討を実施しました.
1) |
支部設立準備と規定整備
JAQ設立を睨み,日本科学技術連盟,日本規格協会などの教育・啓発活動とバッティングしないために,学会の支部活動をコミュニケーションの場とともに産業界へのソリューション提供の場と位置付け,このための規定整備を行い,東日本支部(本部一部事業の移行)・西日本支部設立を決めました. |
2) |
本部事業の研究開発への重点化
本部研究開発・広報活動を有機的に統合するために,研究開発委員会・事業委員会・学会誌編集委員会・広報委員会の一体運営を開始し,学会誌を部会・研究会活動・事業活動を会員に伝える場とする新たな編集方針での発行に切り替えました.学会の研究活動は部会活動で行うための規定改訂を実施し,第47年度から適用されます.職域部会名称,現行の計画研究会・公募研究会をどの部会に所属させるかについても小原副会長を中心に検討を進めました.第47年度以降,職域会員は自動的に関連部会に1つ参画できることについても広報いたしました.臨時総会で承認された委員会規定などについても第47年度事業に関わるレビューを進め,標準委員会の位置づけ,小委員会の呼称などについての修正を総会で行うこととしました. |
3) |
個人正会員のQ力量の見える化
学会正会員の中で,優れた業績・力量を持つ方をFellowとすることができる規定を山田理事を中心に整備しました.また,長年学会で活躍された会員の会費減免措置としての,シニア会員制度,永世シニア会員制度を設立するとともに,中部支部からの要請に基づき賛助会員1口につき1名の職域会員を登録できる制度を検討し,第47年度からの実施を可能とする定款等の改定を行いました.これについては会員に対して広報いたしました. |
4) |
公益法人化準備
学会のステータス向上(経営系学会の動向),JAQの将来的公益法人化方針,産業界などの寄付の減税化等に資するために,第47年度に学会を公益法人化する方針を固め,それに伴う準備作業を小原副会長を中心に進めました. |
5) |
他学会との連携 FMES,横断型基幹科学技術研究団体連合,サービス学会,品質工学会,日本統計学会,応用統計学会,統計関連学会連合などとの連携を強化すべく,企画セッション・共催事業,研究会企画などを進めました. |
6) |
ネットワーク会議の開始 学会運営に関わる会議について,兼子前理事の尽力で,学会本部と支部,理事・委員などの所在地とをインターネットでつなぎ理事会を実施することを開始しました. |
|
(1) 年次大会,研究発表会
第46回年次大会を,昨年11月26日,名古屋工業大学にて開催し,研究発表39件,参加者147名でした.前日の事業所見学会を,三菱重工株式会社MRJ 小牧南工場及び株式会社メイドー三好工場で開催しました.(参加者計41名)
第113回研究発表会を,本年5月27日に日本科学技術連盟東高円寺ビルにおいて開催し,一般発表35 件,参加者126名でした.
チュートリアルは,デミング賞委員会の活動との連携を図るという方針のもと,受賞企業の代表者と日経品質管理文献賞受賞者による講演をお願いし,75名の参加者を得ることができました.研究発表会では優秀発表賞を試行し,受賞者には懇親会にて賞状が椿会長より直接手渡されました.
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・チュートリアルセッション |
「品質・安全問題と信頼」 筑波大学 教授 伊藤 誠 氏 |
「ビジョン達成に向けた独自のTQM推進」 トヨタ自動車九州(株)常務取締役 米岡 俊郎 氏 |
(2) シンポジウム
現在注目されているテーマについて専門家をお招きし,シンポジウムを開催しました.パネル討論会では熱心な討議が行われました.
・第161回シンポジウム(参加者56名) |
日 程: |
平成29年9月29日(会場:日本科学技術連盟東高円寺ビル) |
テーマ: |
『製造業のサービス化』 |
|
(3) 講習会
標準委員会主導で作成されたJSQC規格について講習会を実施し,好評を得ました.
・JSQC規格33-001:「方針管理の指針」講習会(参加者58名) |
日 程: |
平成28年12月8日(会場:日本科学技術連盟東高円寺ビル) |
|
(4) 事業所見学会
次の4回の事業所見学会を開催し,いずれも優れた活動を展開する事業所を見せていただき,参加者から高い評価をいただきました.
・第390回 |
: |
ANAグループ安全教育センター(10月26日開催,参加者19名) |
テーマ |
: |
ANAグループの「安全」の取り組み |
・第391回 |
: |
花王株式会社 すみだ事業場(1月18日開催,参加者20名) |
テーマ |
: |
花王における品質保証活動の取り組み −よきモノづくりの核心− |
・第394回 |
: |
日産車体株式会社 湘南工場(4月20日開催,参加者25名) |
テーマ |
: |
日産車体株式会社の品質への取り組み(参加者30名) |
・第397回 |
: |
コニカミノルタ株式会社 丸の内オフィス(8月22日開催,参加者16名) |
テーマ |
: |
「働き方変革」 |
|
(5)クオリティトーク
20〜30人の少人数の参加者がくつろいだサロン的雰囲気で一流講師の講演を聞き,活発なディスカッションの場を提供する本部独自のユニークで贅沢な行事です.本年度も,以下の多彩なゲストとテーマで5回開催し,好評をいただきました.100回目の記念クオリティトークは規模を拡大し実施され,5名もの歴代会長にご登壇いただきました.
・第100回 前田又兵衞氏,狩野紀昭氏,飯塚悦功氏,大沼邦彦氏,大久保尚武氏
歴代会長 大いに語る!「これからの・・・」 (10月22日開催,参加者50名) |
・第101回 株式会社IIJイノベーションインスティテュート取締役 浅羽 登志也 氏
テーマ:IoTの基本的考え方と今後の方向性 (2月3日開催,参加者22名) |
・第102回 日産自動車株式会社フェロー 久村 春芳 氏
テーマ:自動運転社会実現への道 (4月17日開催,参加者23名) |
・第103回 GD3コンサルティング代表 吉村 達彦 氏 (6月15日開催,参加者21名)
テーマ:発見力−トヨタで学んだ“発見”をGD3問題解決プロセスに展開− |
・第104回 東北大学教授 大林 茂 氏
テーマ:多目的設計探査 (8月25日開催,参加者20名) |
|
(2) 研究発表会(第114回) |
*日 程:8月30日13:00〜17:45(場所:名古屋工業大学) |
*参加者:84名 |
*発表内容 :発表件数 14件 産業界:6件 学術界:6件 医療界:1件 産学協同:1件) |
|
(3) シンポジウム(第162回) |
*日 程:7月31日13:00〜17:00(場所:名古屋工業大学 4号館ホール) |
*参加者:150名 |
*テーマ :IoT時代の「つながる工場」における生産性向上と品質管理
〜生産システムの流れを理解し,どのようにIoTを活用するのか〜 |
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・基調講演 |
|
東京理科大学 |
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准教授 工学博士 日比野 浩典 氏 |
|
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・事例講演 |
|
株式会社日立製作所 工学博士 野中 洋一 氏 |
|
|
・パネル討論会 |
|
司会;名古屋工業大学 教授 工学博士 仁科 健 氏
パネラー;日比野 氏,野中 氏,森 氏 および会場参加者 |
|
|
|
|
|
(4) 講演会(第130回講演会(6月2日)開催中止の為,ミニ講演会を開催) |
*日 程:9月1日18:00〜19:30(場所:日本規格協会 名古屋支部), |
*参加者:26名 |
*テーマ :『高品質と開発期間半減は両立できる』 |
|
(5) 事業所見学会 |
*第1回(第392回):大垣共立銀行株式会社(名古屋)[日程:2月14日 参加者:20 名]
*テーマ:『サービスの神髄』 |
*第2回(第396回):三菱重工業株式会社 名古屋誘導推進システム製作所[日程:7月12日 参加者:40名]
*テーマ:『防衛・宇宙製品の製造工程における「技能伝承」』 |
|
(6) 幹事研修会 |
*第1回 3月22日;
行事企画や運営に関する情報共有と標準化を図るための研修会を実施. |
*第2回 5月12日;
北陸電力株式会社 志賀原子力発電所訪問 幹事の品質管理技術の向上を目指し,北陸地区の品質管理について特徴的に取組まれている企業を訪問する. |
*幹事/役員20名参加 |
|
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(7) 役員会 |
*第1回 H28年12月6日 トヨタミッドランドスクエア 38階 3804会議室
|
*第2回 H29年9月28日 トヨタミッドランドスクエア 39階 会議室 |
(8) その他 |
*協賛行事: |
第14回日本OR学会中部支部シンポジウム[日程;9月16日 場所;愛知県立大学サテライトキャンパス] |
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(1) |
事業所見学会
第393回 2月7日(火):潟Cトーキ 寝屋川工場[参加者 25名]
「潟Cトーキにおける生産性向上および品質改善の取組み」 |
→ |
品質道場や安全道場,生産工程の見学に加え,3H管理活動,生産性向上の取り組み事例を紹介いただくなど,丁寧な対応で大変充実した見学会となった. |
第395回 5月12日(金):叶_戸酒心館[参加者 27名]
「日本の伝統的ものづくりと近代化による高品質の実現」 |
→ |
伝統と先進性を組み合わせた取り組み,品質に関する考え方などを紹介いただき,大変充実した見学会であった. |
|
(2) |
講演会
第131回7月20日(木)13:15〜16:55(会場:大阪大学中之島センター)[参加者 38 名]
「新製品開発を巡るグローバルレギュレーションに関わる我が国企業の課題
−市場品質・設計品質追求における最先端事情−」 |
講演@:「F1レギュレーションと技術の変遷」
田中 尋真 氏(元 竃{田技術研究所 HRD Sakura 第4ブロック 開発推進セクション) |
講演A:
「食品新素材の開発と国内外のレギュレーション対応 −私たちの経験から−」
栗木 隆 氏(江崎グリコ 取締役 常務執行役員 研究部門統括 兼 健康科学研究所長) |
|
→ |
F1のレギュレーションで考慮される5つの要素とその対応方法,組織マネジメント,食品新素材の開発から海外展開における各国のレギュレーションの差異,食品に対するレ ギュレーションの厳しさと認可までの取り組み等を実際の事例をもとにわかりやすく講演いただき,アンケート結果も上々であった. |
|
(3) |
シンポジウム
第163回 6月20日(火)13:15〜17:00(会場:大阪大学中之島センター)[参加者 73名]
「現場に役立つビッグデータ活用方法」 |
講演@:「なぜ企業はデータ分析を活用できないのか? 〜IoTを活用した業務改革を成功させるポイント〜」
河本 薫 氏(大阪ガス 情報通信部 ビジネスアナリシスセンター 所長) |
講演A:「サービス業におけるビッグデータの活用 −サービス工学による労働生産性の向上−」
新村 猛 氏(がんこフードサービス梶@取締役副社長) |
パネルディスカッション: |
司 会:猪原 正守 氏(大阪電気通信大学 情報通信工学部 教授) |
メンバー:
河本 薫 氏(講演者), 新村 猛 氏(講演者) |
|
|
→ |
ビジネスに役立つ分析課題の発掘や現場に分析結果を使わせるための留意点とその具体的な実践例,サービス業の生産性向上を目的としたサービス工学の導入から改善結果,顧客サービスの教育手法の開発など,実践例を交え,わかりやすく講演いただいた後,「現場に役立つビッグデータ活用方法」をテーマにパネル討論を行った.アンケート結果は上々であった. |
|
(4) |
研究発表会
第115回 9月15日(金)(会場:大阪大学中之島センター)[参加者51名]
特別講演:「滋賀大学で始まったデータサイエンティストの組織的育成」竹村 彰通 氏
(滋賀大学 データサイエンス学部長)
→ |
発表件数は14件(研究9件,事例5件).最優秀発表賞,優秀発表賞,及び学生を対象とした優秀発表の表彰を行った. |
|
(5) |
研究活動報告
1) 実用的統計手法研究会 |
|
「新たなSQCの開発・実践を行うこと」「誤用を防ぐために既存SQCの再検討を行うこと」「統計的方法論を実用普及する際のツール(教育教材等)開発・提案を行うこと」を行った. |
2) ダイナミックロバストマネジメント研究会 |
|
これまで研究してきた「科学的先手管理七つ道具(SE7)」と2015年改訂されたISO MS の品質,環境規格の特長,意図とを俯瞰的に融合して組織の文化へのマッチング,コミュニケーションを明確にし,従来,企業経営に有効なMSとして実地で検証されてきた日本的なTQMと高度な先進技術(IoTなど)との相互関係、ヒューマンエラー,モノづくりのレベルアップ策等に関して,品質管理学会が培ってきた数々のQC技術をベースにし,ダイナミックな問題解決アプローチを体系化している. |
|
(6) |
QCサロン
第109回 10月 5日(水)太田 茂雄 氏(ローム梶j[参加者51名]
「継続的な品質教育体制の強化による品質風土の向上」
第110回 2月 8日(水)猪原 正守 氏(大阪電気通信大学)[参加者51名]
「部課長 スタッフのための生産性向上と問題解決における考え方」
第111回 4月13日(木)杉谷 浩成 氏(住友電気工業梶j[参加者30名]
「東南アジアにおけるローカル人材育成について −品質教育事例を通じて−」
第112回 6月 7日(水)熊田 あゆみ 氏(積水化学工業梶j[参加者40名]
「積水化学グループにおけるモノづくり教育研修体系の再構築と推進」
第113回 8月24日(木)泉 茂伸 氏(大金空調上海有限公司)[参加者33名]
「ダイキン工業中国現地法人における人を機軸におく品質人材育成の取組み」 |
(7) |
合同役員会 2016年12月15日(木),2017年2月8日(水),4月13日(木), 6月7日(水),8月24日(木),10月4日(水) |
(1) |
ほぼ,毎月1回の論文誌編集委員会を開催しました.論文誌編集委員会の責任に基づき,査読意見を参考にしながら,編集委員会が掲載の可否を判断してきました.また,「著者責任」を基本とし,新規性・価値のある主張を含む論文については掲載する方向で進めました. |
(2) |
ネパールのカトマンズで開催されたANQ Congress 2017にあたり,国際委員会の委託を受けて,以下の活動を行いました.
1) JSQCから提出された全てのアブストラクト(全50本)に対する審査
2)フルペーパー(20本)に対するBest Paper Awardの審査 |
(3) |
投稿論文審査のスピード化も引き続きめざした結果,大幅に遅れるものはなくなっています.さらに迅速に審査が進むように,次年度以降も管理を徹底いたします. |
(4) |
国際委員会と連携して,ANQ 発表論文を対象とした英文電子ジャーナル(Total Quality Science)の発行を行いました.46年度はVol.3を発行しました.論文数は年間8報と,概ね目標通りの数を掲載できています. |
(5) |
46年度は,昨年度に引き続き論文掲載料の検討をいたしました.論文掲載には相当なコストがかかるため,学会の財政状況を鑑みますと,論文掲載料の徴収は避けらない状況です.会員の理解を得つつ,引き続き検討を続けます. |
(6) |
学会誌編集委員会と連携して,品質誌の電子ジャーナル化(J-Stageでの発行)を検討しました.詳細につきましては,引き続き検討を続けます. |
(7) |
表1に過去5年間(42年度〜46年度)の月別投稿論文数を,表2に過去5年(41年度〜45年度)の投稿区分別採択数を示します.46年度は審査中のものがありますので,採択数は41年度から45年度を示しました.一度却下されたものが再投稿される場合もありますので,単純に採択率を計算することはできませんが,おおむね4割程度が採択されています. |
|
表1 過去5年間の月別論文投稿数
|
10月 |
11月 |
12月 |
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
計 |
42年度 |
2 |
2 |
1 |
1 |
2 |
1 |
1 |
3 |
5 |
3 |
1 |
1 |
23 |
43年度 |
0 |
1 |
3 |
3 |
1 |
4 |
4 |
5 |
4 |
1 |
2 |
2 |
30 |
44年度 |
2 |
1 |
2 |
5 |
0 |
0 |
1 |
2 |
1 |
0 |
1 |
1 |
16 |
45年度 |
0 |
0 |
1 |
2 |
1 |
3 |
0 |
1 |
0 |
1 |
0 |
1 |
10 |
46年度 |
1 |
4 |
1 |
1 |
1 |
3 |
2 |
0 |
1 |
3 |
0 |
2 |
19 |
|
|
表2 過去5年間の投稿区分別採択数
|
41年度 |
42年度 |
43年度 |
44度 |
45年度 |
41-45年度 |
|
投稿 |
採択 |
投稿 |
採択 |
投稿 |
採択 |
投稿 |
採択 |
投稿 |
採択 |
採択率 |
計 |
24 |
10 |
23 |
10 |
30 |
5 |
16 |
9 |
10 |
3 |
35.92 |
報文 |
11 |
7 |
8 |
4 |
14 |
3 |
5 |
1 |
3 |
1 |
39.02 |
技術ノート |
6 |
0 |
2 |
3 |
2 |
0 |
1 |
1 |
0 |
0 |
36.36 |
調査研究論文 |
1 |
0 |
4 |
0 |
2 |
1 |
2 |
2 |
3 |
0 |
25.00 |
応用研究論文 |
3 |
1 |
3 |
2 |
4 |
1 |
5 |
4 |
2 |
0 |
47.06 |
投稿論説 |
0 |
0 |
0 |
0 |
4 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0.00 |
クオリティレポート |
3 |
2 |
6 |
1 |
4 |
0 |
3 |
1 |
0 |
1 |
31.25 |
QCサロン |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
1 |
100.00 |
レター |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0.00 |
|
会員増加の期待に反して,接触機会の激減,団塊の世代の大量退職に伴う学会員の減少も影響し,関係者の期待を他所に会員減少に歯止めがかからないのが実情です.「広く学会の存在あるいは活動を知らしめる」本来の広報活動の必要性が高まっており,学会誌「品質」あるいはWeb版JSQCニューズのような学会員向けの内向的な情報発信とは異なり,世の中で益々求められる対社会向け,学会員外の皆様に対する広報活動,世の中の常識とされる迅速な情報収集・発信を行うことが喫緊の課題と考えます.
第46年度にはサービス学会関連行事やTQE特別委員会関連の行事など協力要請を頂いた行事に関して22本の略報制作を行い,情報発信を行いました.
(1) |
テクノメトリックス研究会(主査:黒木 学 12名) |
テクノメトリックス研究会では,「統計的手法を中核とした品質管理手法の開発・普及」のために,手法,考え方,事例などについて幅広い視点から研究してきました.研究会はおおむね3ヶ月に1度の開催で,メンバーが上記の手法,考え方,事例などについて紹介し,メンバー間での議論により研究成果を練り上げていきました.議論したテーマは因果推論,クラスター分析,罰則付き回帰,小地域推定,総合評価指標など多岐にわたっています.また,JSQC研究発表会や品質誌をはじめとするさまざまな学術雑誌をとおして,研究成果を報告しました. |
|
|
(2) |
医療経営の総合的「質」研究会(主査:永井 庸次 18名) |
|
医療事故調査等の活動と医療のTQM七つ道具,医療機関のTQM普及に関しては,
・ |
全日本病院協会の医療の質向上委員会に参加 一部委員(飯田,永井) |
・ |
厚労省研究会に参加 飯田委員
|
・ |
医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する研究会
|
・ |
医療の質の向上に資する無過失補償制度等のあり方に関する検討会
|
・ |
定期的に研究会でも議題に取り上げ検討しました. |
・ |
特性要因図に関する講演会を2回開催しました |
・ |
業務フロー図に関する講習会を3回開催しました. |
・ |
ECRIの電子カルテ導入事故チェックリストを翻訳中です. |
医療アラームに関する検討では,
・ |
生体情報モニタに関する講演会を1回開催しました.
生体情報モニタに関して,その現状と具体的な改善策とその成果に関して,今年度中に具体的成果を出します. |
・ |
特に本年度は,生体情報モニタの品質特性に関して,品質機能展開を具体的にベンダと医療機関,品質管理専門家とともに実施していきます. |
|
|
|
(3) |
信頼性・安全性計画研究会(主査:岡部 康平 15名)
第四期の2年目であり,第3期より注目してきた老朽化の安全性問題に関連して,社会インフラ全般が備えるべき品質およびその管理の観点より,安全性問題の根本的課題を掘り下げ,未然防止への展開を検討しました.専門家による講演や,委員の研究・調査発表をベースに討議を行いました. |
|
1) 信頼性・安全性作りこみ技術
製品安全における未然防止を目指し,ネットワークを介して製品等の状態を監視することで,信頼性・安全性を管理する技術に注目しました.モニタリング情報の有効活用として,長寿命設計と過剰品質との関係,ビックデータへの期待,モニタリングセンサの不確実性の影響,などを多角的に議論しました.その一方で,リコール制度の効果に注目して,自動車をはじめとする信頼性・安全性の設計・管理技術における喫緊の課題を整理するとともに,その原因の把握にも取り組みました.製品が市場に普及した後の,実際の使用環境を想定する手法・技術について,今後,より詳しく調査を進めます. |
|
2) 安全・安心を達成するための社会インフラ構築
前年度に引き続き,老朽化の安全性問題に着目し,新規発展分野の社会インフラにおける安全設計から管理体制にいたる品質管理の現状と動向を調査し,それらインフラの今後の展開について検討しました.自動車の自動運転技術やドローンの次世代運送システムにおける安全管理問題を鉄道運送管理などの既存の技術・体制と照らして検討し,新規社会インフラにおける安全面での独自性を把握しました.また,新規社会インフラの事業展開として,PPP/PFIによる官民連携制度の動向調査も実施しました.
レジリエンスな組織,事業継続の実現については,第三期で提起した「社会品質という新たな概念の観点から議論を進めました.また,自動車のリコールの変遷やガラパゴス化など,グローバル化と技術深化・特化の在り方について,経営の観点からも広く議論しました.そして,事業継続の礎として,安全性管理においても,現状維持だけでなく,さらなる発展を促すための事業形態が欠かせないとの観点から,安全性自体が利潤となり投資の対象となるような,安全性の魅力的品質について,具体的に議論することにも取り組みました. |
|
3) 研究成果のとりまとめと情報発信
第四期の2年目であり,第四期における主題の検討と成果の達成目標を討議しました.そして,新規発展分野における社会インフラの専門家と連携して成果をまとめられるように取り組みました.主題の検討課題は各委員で分担し,寄稿として一度情報発信しました.それぞれの検討課題の総括を現在も行なっており,その成果の取りまとめ,及び,公表の方法について検討を行なっています. |
|
|
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サービスのQ計画研究会(主査:水流 聡子 17名)
「サービス標準化スキームの学術活動を通して,サービスの「科学化」と「標準化への橋渡し」を行う.具体的アウトプットとして,@サービス規格の基本理念・原則 (A-Standard),A個別サービス規格開発のための指針及びサービス関連用語 (B-Standard)を開発します.今年度は以下の活動を行いました. |
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1) 月1回の定例研究会の開催
サービスのQ計画研究会では,JSQCとサービス学会との共同研究体制で研究を展開しています.日本品質管理学会・サービス学会のサービスにかかる主要研究者に加え,国際標準化関係者・主要国内認証組織関係者・自治体関係者・企業関係者に参画していただき,毎月1度の研究会を開催し,@サービス規格の基本理念・原則(A-Standard),A個別サービス規格開発のための指針及びサービス関連用語 (B-Standard)の検討を行ってきました.@とAのワーキンググループは,それぞれにワーキング活動を実施して,月一度の研究会に検討結果を提出し,検討するという活動を繰り返してきました. |
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2) サービス標準化委員会へのA規格・B規格の開発方針の提案
数省庁・企業・学術組織に所属する約20名の委員からなる,「サービス標準化委員会」の第1回委員会(2017年4月)に,サービス規格の基本理念・原則 (A-Standard)・個別サービス規格開発のための指針及びサービス関連用語 (B-Standard),それぞれの開発方針・方法論を提案しました. |
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3) 第1回サービス標準化フォーラムの実施
2016年10月14日,経団連会館において,第1回サービス標準化フォーラム「Best Practiceに学ぶサービス品質 ―エクセレンス・サービスの再現可能性を高め多様性と共存する標準化―」を開催しました.250名収容の会場は満席となり,サービス標準化に関する活発な意見交換・情報交換が行われました. |
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4) JSQCの事業「製造業のサービス化」シンポジウム
9月29日に,「製造業のサービス化」というテーマで,シンポジウムを実施しました. |
46年度も引き続き,FMES代表者会議,FMES/JABEE委員会,FMESシンポジウムに参画し,経営工学関連学会との交流,JABEEの審査活動,FMESシンポジウム等の活動に,中核団体として協力してきました.FMES代表者会議は,2017年4月26日に開催され,主にFMESの今後の活動について議論しました.第32回FMESシンポジウムは日本信頼性学会を中心に企画され,2016年11月24日に開催されました.
本事業は学会創立30周年記念事業として第31年度より開始されたものです.助成金額は1件5万円で4件以内.対象者は,日本品質管理学会の正会員もしくは準会員,申請時に35歳以下で大学・研究所・研究機関等において研究活動を行っている者,留学生の場合は日本の大学院に在籍する外国籍の留学生等の要件を満たす者です.本年度は8名の応募があり,研究助成選考マニュアルに則り4名を選考しました.
日本原子力学会(ヒューマンマシンシステム研究部会/社会・環境部会)等との共催の「安全・安心のための管理技術と社会環境」ワークショップを,2017年12月下旬実施に向けて準備を行いました.また,自動車事故対策機構等の審議についても引き続き参加・協力
しています.特にISO 39001の普及をめざし,ISO TC241/WG 4 marketing committeeに参画しています.
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QMS有効活用及び審査研究部会(部会長:福丸 典芳 130名) |
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部会メンバーに対してメルマガ(11月,2月,6月,7月)を発行し,情報提供を行いました.また,次の7つのワーキンググループで研究活動を実施しました. |
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WG1:要求事項の本質的適用
ISO 9001をベースとし他の規格やガイドラインも含め,要求事項を本質的に適用することを工学的アプローチから考察し,学術的提言について研究を行いました. |
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WG2:改正ISO 9001の意図及び審査員の力量の研究
前年度及び今年度検討した結果を基に,2017年2月にQMS部会WG2研究報告書を作成しました. |
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WG3:ISOに振り回されるな〜2015移行では組織用語を活かそう〜
JSQC第110回研究発表会(2016/5/28)の発表論文に関する追加研究及び他の数社との実践研究を継続しました. |
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WG4:QMS自己適合宣言の研究
前年度及び今年度検討した結果を基に,2017年3月にQMS部会WG4研究報告書を作成しました.新規テーマ「QMSリスクマネジメントツールの開発」についての研究を開始しました. |
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WG5:外部委託管理の研究
「アウトソーシングの品質改善」 (特殊工程:溶接/熱処理/表面処理/コーティングなど)組織と外部委託の相互関係の品質管理に対するポイントについて原稿作成を開始しました. |
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WG6:ISO 9001:2015対応の中小企業向けQMSモデルの研究
ISO 9001:2015を中小企業に活かすにはどのようにすればよいかを研究し,報告書作成に着手しました. |
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WG7:「ISO9001とTQMのシナジー効果」によるQMS能力支援向上支援のための審査・内部監査技術の開発」の研究
これまでに研究した「QMSレベル評価表」を基に,次回の審査で「どのキープロセスのどこに着眼すべきかに関する申し送り方法」について「ISO規格とTQMのシナジー効果」を期待した組織にその有効性が見えるような審査・内部監査技術を研究しました. |