社団法人日本品質管理学会
第42年度 |
自 2012年(平成24年)10月 1日
至 2012年(平成25年) 9月30日 |
事業計画 |
本学会を取り巻く環境は一段と厳しい状態にあります。産業界では、日本市場が縮小し、円高が進行する中、企業は事業の拡大と経営の効率化を求めて、中国やインドなどのBRICSをはじめ、東南アジア各国へ進出しています。このため、グローバル化のもとでの新たな経営スタイルが求められるとともに、日本国内の空洞化が懸念されています。また、社会の基盤をなすエネルギー、運輸、医療、教育などの領域では、安全・安心を確保しつつ、社会ニーズに的確に応えていくことが求められています。
このような中、本学会は、社会に貢献する品質管理を目指して産学連携を強化し、第3期中期計画(第41〜43年度)を着実に実現していくことが、「品質立国―日本の再生」への道であり、本学会が社会に認知され、そのポジションを高めていく道と信じて、活動を推進して行きます。
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具体的な施策は、「Qの確保」、「Qの展開」、「Qの創造」および「共通領域の推進」の4本柱で推進します。 |
(1) |
Qの確保 |
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・ |
設計開発における品質確保手法の確立に関する共同研究の実施とその成果の公表 |
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・ |
災害や社会情勢の急激な変化にも負けないレジリエントな組織の構築 |
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・ |
QMSの有効活用と審査に関する研究、研究成果の公表と規格化 |
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・ |
統計学の品質管理への応用に関する研究の推進 |
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・ |
ソフトウェアの品質管理に関する実践的でかつ効果的な知識の体系化と成果の公表、新たな活動の開始 |
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・ |
統計情報・データマネジメント分野での質概念と質保証プロセスの確立と指針の作成 |
(2) |
Qの展開 |
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・ |
医療QMSとPCAPSの研究と医療業界全体への普及・啓発 |
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・ |
医療のTQM七つ道具の開発と普及 |
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・ |
原子力安全マネジメントに関する課題の明確化と研究の推進 |
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・ |
運輸安全マネジメントに関する課題の明確化と研究の推進 |
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・ |
教員養成カリキュラムへの教科横断的問題解決教育の導入と教員向けテキストの作成 |
(3) |
Qの創造 |
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・ |
サービス産業向けのQの創造の方法論の定式化と検証 |
(4) |
共通領域の推進 |
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・ |
産学連携による研究の推進、研究が必要な分野の発掘と研究会の設置 |
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・ |
学会誌における研究会活動の報告機会の拡大、研究会・部会・委員会による定期的なシンポジウムや講演会の開催 |
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・ |
投稿論文の迅速・正確な審査、電子ジャーナル化への対応 |
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・ |
専門分野に関する連載記事の掲載 |
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・ |
研究発表会における「産」の発表件数の増加、少壮会員への研究助成 |
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・ |
品質管理関係者の学習・交流の場の提供、見学会・講演会・シンポジウム等を通した支部活動の活性化 |
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・ |
QC相談室における的確で早いレスポンスと相談しやすい・役立つ仕組みの確立 |
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・ |
JSQC選書の発行、品質誌特集・連載のJSQC選書化 |
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・ |
JSQC規格の発行と普及、ISO/JIS等の審議への協力 |
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・ |
品質誌の記事のHP化や学会関連出版物の広報などによる情報発信力の強化 |
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・ |
FMES(経営工学関連学会)、ANQ、関連学協会との連携強化 |
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・ |
会員制度の見直し・改善、経営者へのQC検定活用や学会参画の働きかけ、QC検定合格者へのお誘いなどによる会員数の増加 |
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第42年度は第3期中期計画の2年目にあたります。中期計画で定めた目標とその達成のための活動が計画通りに実行できるように、関連委員会と連携しながら推進していきます。主な推進事項は下記の通りです。
(1) |
産学連携を強化・拡大し、共同研究を推進する。 |
(2) |
品質管理の考え方や技法を広め、産業界の活性化に貢献する。 |
(3) |
委員会・部会・研究会の連携を強化し、会員の相互啓発を促す。 |
(4) |
会員制度、事業、機関誌等の見直しにより、参加しやすい環境を作る。 |
(5) |
他関係組織との連携を強化し、Qの展開をはかる。 |
第42年度本部行事の基本的構成は、従来と同様、以下の通り予定しています。中部支部、関西支部の行事に関しては各支部の事業計画をご参照ください。
(1) |
年次大会、研究発表会[各1回] |
(2) |
シンポジウム[2〜3回] |
(3) |
講演会[1〜2回] |
(4) |
事業所見学会[3回] |
(5) |
クオリティトーク[5〜6回] |
(6) |
ヤングサマーセミナー[1回] |
東日本大震災後の、日本や世界が直面する様々な課題に対して、日本的品質管理が貢献できる、そして貢献すべき分野をテーマにした事業を企画します。産業界が直面する重要な課題を取り上げたタイムリーなシンポジウム、講演会を開催します。また、学会の社会的責任に応えるべく最大限の努力をしていきます。
1) |
部会/研究会活動との連携:部会や研究会活動の活発化に伴い、その成果を発表する場をシンポジウム、講演会等で積極的に提供します。 |
2) |
品質誌との連携:特集記事との内容面・講演者等での連携をはかり、魅力的なシンポジウムや講演会を開催します。 |
3) |
研究発表会の開催:産業界からの実践報告の発表件数を増やすべく、新たな方策を考慮します。 |
4) |
ヤングサマーセミナーの開催:次世代へのTQMの継承と発展のため、若いメンバーへの研究、交流の支援を進めていきます。 |
5) |
コミュニケーションの場の充実:本来学会とは、同じ研究分野に携わる人たちのコミュニティです。会員同士の相互交流がきわめて重要です。気軽に参加できる事業などを通じて、会員間の相互交流を深めます。 |
(1) |
基本方針
生き残りを掛けたグローバル競争の中で、今日本は東日本大震災からの復興、円高、デフレ、新興国の追い上げなど激変の中にある。と同時に、環境問題や品質にかかわる問題に対するユーザーの目線は益々厳しさを増しています。
そこで、我々は『グローバル競争を見据えた産学連携による「Qの確保」の発信』を支部テーマとして、悪いものは出さないという品質管理の原点に立ち返り、お客様視点でものづくりの現場に役立つ品質管理技術を産と学が連携を取りながら発信し、広く社会に貢献します。
【中部支部のスローガン】グローバル競争を見据えた産学連携による「Qの確保」の発信
・ |
産側からの問題提起と、学側での解決策の掘り下げや理論付けを行う研究会活動を基盤とし、そこでの研究成果を、中部地区を中心に主にものづくりの現場に継続的に公開し、現場での品質管理技術の向上に寄与します。 |
・ |
産と学で共同して実施する行事を会員および会員外に対する品質管理の展開と啓発と位置づけて、ものづくり及びそれ以外の分野にも品質管理の考え方を浸透させるために有益で魅力ある企画を行ないます。 |
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(2) |
行事計画の具体的な進め方
1) |
研究発表会[1回] |
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産・学とも相互研鑚し、成果物がグローバルなものづくりの現場に展開できる企画や運営を行います。また、学側の新しい研究成果と産側からの具体的実践事例を組み合わせた内容を企画します。さらに、産学連携現地現物研究会、若手研究会(東海、北陸)、医療の質管理研究会と関連研究会の成果を発表します。 |
2) |
シンポジウム(基調講演とパネル討論会)[1回] |
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産と学が品質管理を展開する上で困っているテーマを取上げ、講演、討論会を通じてあるべき指針が示される企画や運営を行います。産学連携プロジェクトを進める上であるべき姿を共有し、互いにどのように連携し、成果を発信するかそのあり方を提案する場を目指します。 |
3) |
講演会[1回] |
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会員外からも多くの参加を得られ、グローバルなものづくり現場で役立つ魅力的な企画や運営を行います。 |
4) |
事業所見学会[2回] |
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見学参加者の品質管理の自社展開に参考となる多様な業種、業態の事業所を選定します。 |
5) |
幹事研修会[2回以上] |
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各行事企画・運営のレベルアップにつなげるため、幹事が研鑚・議論できる研修を企画します。 |
6) |
研究会 |
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研究会活動を支部活動の中心と位置付けて、さらなる活性化と内容の充実を図ります。参加メンバー増員、活動テーマの多様化、新規研究会の立上げなどを計画します。なお、現状の研究会は以下の通りです。
・東海地区の若手研究会(名古屋工業大学 仁科教授)[4回]
・北陸地区の若手研究会(金沢工業大学 石井教授)[発表会2回]
・産学連携現地現物研究会(早稲田大学 永田教授)[4回]
・医療の質管理研究会(中部学院大学 國澤教授)[6回] |
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(1)運営方針
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日本企業は、世界経済の中で勝ち残っていくために、さまざまな構造改革や将来の成長戦略構築に頭を悩ませています。また、低炭素社会の実現に向けて、太陽光発電や電気自動車など、革新的な技術開発が求められる時代となってきました。今後、日本企業がさらに成長し、グローバル競争に勝ち残っていくためには、日本企業元来の強みである「技術開発力」「品質力」ならびに、それらの元となる「人づくり」がますます重要となってきます。
このような状況の中、これまで日本の文化や産業を支えてきた“ものづくり”や“サービスづくり”の基盤を引き続き維持・発展させていくことが必要であり、このとき、品質管理の果たすべき役割はますます大きくなっています。
関西支部では、品質力、組織・マネジメント力、現場力、顧客対応力の向上策について具体的に提言することにより品質管理のレベル向上に貢献することを目的に、事業活動のさらなる活性化を図り、より多くの会員が満足できる活動を展開していきます。 |
(2)事業内容
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1) |
研究会 |
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① |
統計的品質情報技術開発研究会:「新たなSQCの開発・実践を行うこと」「誤用を防ぐために既存SQCの再検討を行うことを通してSQC活動を活性化させます。 |
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② |
科学的先手管理アプローチ研究部会:マネジメントの課題を階層別に取り上げ、日本品質管理学会が培ってきた数々のQC(信頼性、IE、OR等を含む)技術をベースにし、科学的な先手管理、源流管理へのアプローチを体系化します。 |
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③ |
品質管理教育教材開発研究会:受講生が、ものづくりやそれを支える品質管理に対して興味が持てるように、学校・企業の教育分野で使える品質管理教育の教材を開発し、教育の仕方やマニュアルも併せて提案します。 |
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2) |
研究発表会【 1回 】 |
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企業のニーズと学におけるシーズをマッチさせ、産学で相互に研鑽できる発表会を企画します。 |
3) |
シンポジウム【 1回 】 |
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今、最も要求されているテーマを選定し、活発な議論のできるシンポジウムを企画します。 |
4) |
講演会【 1回 】 |
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“ものづくり”“サービスづくり”の発展に寄与できる魅力ある講演会を企画します。 |
5) |
事業所見学会【 2回 】 |
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特色のある事業所の見学を企画します。 |
6) |
QCサロン【 5回 】 |
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会員サービスの充実を図るため、講話とざっくばらんな質疑応答ができるサロンを企画します。 |
(3)その他
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1) |
関西支部企画運営委員会の実施:支部運営に関する各種の検討を行い、支部事業の活性化を図ります。 |
2) |
データ管理の質的向上と定点観測:支部活動に関する各種データ収集・管理を継続的に行い、支部活動の現状把握や活性化に役立てます。 |
(1) |
前年度方針を引き継ぎ、論文審査において、査読意見を参考にしつつも論文誌編集委員会の主体的な判断に基づき採択の可否を決定していきます。また、「著者責任」を基本とし、新規性・価値のある主張を含む論文については原則として掲載する方針は、従来と変更ありません。年間の掲載数15本をめざします。 |
(2) |
編集委員会に関する規程の見直しを行いましたので、改訂された方法に従って、投稿論文審査の迅速化を図っていきます。 |
(3) |
国際委員会と協力して、ANQ 2013への論文発表促進と若手研究者への論文作成援助を積極的に行います。 |
(4) |
論文補助情報のWebによる公開について、第41年度に設定した基本方針に基づき開始します。 |
第42年度は、昨年度に引き続き、特集企画、連載企画を通じて、品質管理に関する企業活動や最新の研究内容を提供していきます。
(1) |
前年度の委員会方針で、既に以下の特集企画を予定しています。
Vol.42,No.4(2012年10月発行予定):『我が国のソフトウェア品質技術の潮流』
Vol.43,No.1(2013年1月発行予定):『医療質安全保証に向けた臨床医たちの視座』(仮称)
Vol.43,No.2(2013年4月発行予定):『災害リスクマネジメント』(仮称) |
(2) |
以下の連載企画の継続を予定しています。
連載:ISO26262−自動車業界における機能安全に対する取り組み−
連載:医療・福祉機関における質・安全保証に関する取り組み |
(3) |
このほか、学会員の研究活動や産学連携の取組みが活発になるように、特集、連載、研究紹介コーナを企画していきます。また、部会、研究会、他の委員会との協調に努め、学会の研究活動を紹介します。 |
学会員・非会員の双方に対しJSQC の存在感や認知度を高め、品質管理に関して産業界に役立つような意見表明や解説、各種活動の内容や記録などを広く発信していきます。
(1) |
Webサイトのアクセス数の増大をはかるために、閲覧性を高めるべく内容の整理などを行い、品質管理一般および学会の最新動向を迅速に掲載するよう努めます。 |
(2) |
学会活動を学会員・非会員により深く認知し理解して頂くため、各種活動の内容を写真やビデオなどで撮影・録音し、オンラインで配信するスキームを検討していきます。 |
(3) |
広報活動の充実をはかるため、学会誌、JSQCニューズ、Webサイトなど各種媒体の連携を検討していきます。 |
近年の会員数の減少に歯止めをかけ、会員増に繋がるような活動を実施していきます。
(1) |
特に、賛助会員会社に対するメリットを新設・強化し、賛助会員退会を食い止める策を講じるとともに、新入会を促進します。 |
(2) |
職域会員や品質技術者により、安定的かつ意欲的な新規会員増強へと導きます。これにより学会事業への参加者も増えることが期待されます。 |
(3) |
若手会員数が増加するような対策を検討します。 |
(4) |
フェロー会員制度などは、継続的に検討を重ね、可能なところから実施に移します。 |
(5) |
会員資格審査については、理事会のご協力をいただく中で粛々と実施していきます。 |
一般社団法人への移行にあたり、第41年度は定款をはじめ関連する規程、内規など、特に役員、代議員の選出方法や運営に関する責任、権限などに関することを中心に見直しを行い、改訂、新規制定を行ってきました。第42年度は新規制定、改訂を行った手順について、実際の活動においての妥当性を中心に検証活動を進めます。
また、庶務委員会をはじめとする各委員会からの要請に基づき、連携を取りながら学会活動に合わせて新規制定、改訂、廃棄等の維持管理を、適切に行います。
現在6つの計画研究会が活発に活動しております。今年度も継続して、研究を推進できるよう支援します。さらに、産学連携を視野に入れた新たな研究会の立ち上げを検討中です。研究会の成果の積極的な公開のしくみの構築も考えていきたいと思います。
(1) |
テクノメトリックス研究会 |
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テクノメトリックス研究会では、第41年度に引き続き、「統計的手法を中核とした品質管理手法の開発・普及」を目指します。具体的には、メンバーが興味あるテーマを持ち寄り、それについて議論を行い品質管理の手法として確立できるようにします。その中では、実験計画法、タグチメソッド、統計的手法の理論的側面、解析事例、解析手順などさまざまな視点から研究をします。また、昨年度同様、おおむね3ヶ月に1度を考えています。そして研究成果については、JSQC研究発表会、年次大会や品質誌の投稿論文などで発表します。昨年度くらいから定着しつつある若いメンバーと、積極的に議論を続けます。 |
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(2) |
医療経営の総合的「質」研究会 |
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従来までの研究活動を継続して、第42年度もわが国の医療の質向上への貢献を図ることを目的とし、医療関係者と品質管理関係者の相互交流を通じて、医療における品質管理や総合的「質」経営に関する検討を進める予定です。具体的には、 |
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1) |
「医療のTQM七つ道具」の広報・周知 |
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① |
医療TQM七つ道具に関する各種講演会を開催し、周知・普及に努めます。 |
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② |
全国の病院での医療のTQM七つ道具の具体的な活用方法・対策具体例を収集します。その一環として、複数の病院における医療アラームの実態調査を行う予定です。 |
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③ |
それらをまとめて、医療のTQM七つ道具事例集をPPTにまとめて公表するか、単行本を発刊します。 |
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2) |
医療機関におけるTQM普及を促進する医療制度・政策のあり方の提案 |
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① |
産科医療補償制度の導入など医療事故に関する補償制度等の枠組みが大幅に変化しようとしている今日、医療関係者と品質管理関係書の相互交流の場である医療経営の総合的「質」研究会としては、医療事故の原因究明と再発防止及び補償制度との関係などについての提言等実施していきたいと考えています。 |
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② |
TQMの基本的な考え方、組織的推進方法、ツールの活用方法について概念整理し、その結果を学会発表・論文投稿していきます。その中で、特に電子カルテと患者安全に関する米国IOMの報告書の全訳に取組み、本年度中に翻訳の製本化を図りたいと考えています。 |
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③ |
国内外の医薬品・医療機器メーカー等におけるTQM実施状況とそれに関連する制度・政策に関して調査し、その結果を学会発表・論文投稿していきます。 |
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3) |
TQMに基づく質保証システムを病院建築に活用可能かどうかの検討とBCP作成チェックリストの提案上記を踏まえて、全日本病院協会と協力して、病院経営改善のための講演会を年度中数回予定しています。 |
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(3) |
信頼性・安全性計画研究会 |
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第一期(第36〜38年度)と第二期(第39〜41年度)の成果に基づいて、下記の項目に関し、分野ごとのベストプラクティスの収集と解析、ケーススタディ、委員の研究成果の報告、委員間の情報共有と討議を行い、災害リスクへの備えも含めた未然防止による信頼性・安全性確保の体系化を図ります。 |
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1) |
信頼性・安全性作りこみ技術 |
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① |
新規トラブル未然防止法の高度化 |
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② |
次世代品質・信頼性情報システムの具体化と深化 |
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③ |
ハザードに着目した根本原因分析(RCA)の高度化 |
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2) |
安全・安心を達成するための社会インフラ構築 |
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① |
品質と安全を重視する組織文化の確立 |
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② |
ユーザ・メーカ・社会行政の三者の協業による信頼性・安全性確保のための方法論 |
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③ |
信頼性・安全性作りこみの視点からの管理職教育と品質管理教育の高度化 |
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3) |
研究成果のとりまとめと情報発信 |
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① |
研究会での成果のまとめ |
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② |
学術講演会、シンポジウム等での積極的な情報発信 |
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(4) |
サービス産業における顧客価値創造研究会 |
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第42年度の主な活動は以下の通りです。 |
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1) |
サービス産業(家電メーカーにおけるトータルサービス)A社との共同研究:第41年度後半から新たに家電メーカーにおける基本サービスと独自サービスの検証を行います。購入前、購入時、購入後までのトータルサービスについて、仮説発掘、仮説検証、仮説の最適化を行います。 |
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2) |
サービス産業向きのシステマティックな方法論の定式化:以上の種々の研究成果と研究会内部での議論を踏まえ、具体的で活用できる方法論を提案する準備をします。 |
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(5) |
統計・データの質マネジメント研究会 |
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概ね2013年4月までに報告書を提出し、活動を終了します。その間の主要な活動は下記の通りです。 |
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1) |
内閣府統計委員会から総務大臣への10月統計法施行状況報告に対する評価に際し、今後公的統計分野での質マネジメントについて、当研究会成果を活用することを答申します。 |
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2) |
国連統計質マネジメント指針の解釈・仮訳を支援します。 |
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3) |
医薬品関係のデータマネジメントプロセスなどについての最適化研究をヒアリングします。 |
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4) |
公的統計に対するISO20252適用可能性、ならびに関連するガイドラインについては、必要に応じてJSQC規格とします。 |
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5) |
加工統計、とりわけ物価指数に対する不確かさ指針適用可能性を検討します。 |
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6) |
2013年3月をめどに終了報告シンポジウムを統計関連学会などの共催で実施します。 |
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(6) |
先進的生産方式に対する工程管理研究会 |
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先進的生産方式に対する工程管理研究会では、高度化・複雑化した生産プロセスにおいて、品質を作り込むための仕組みの構築を目指します。メンバーが持ち寄った事例を管理論や統計学の立場から解析することはもとより、現在の主要な生産技術であるメカトロニクスの立場も含め、さまざまな視点から分析します。生産で品質を作り込むための仕組み作りを設計としてとらえ、目的手段論理および因果論理で説明できる体系化されたものを研究します。
会合は1ヶ月に1度を原則とします。研究成果については、研究発表会、年次大会、品質誌などで発表します。 |
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(7) |
グローバル品質管理教育研究会(立ち上げ予定) |
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産学連携WGが第40年度に実施した賛助会員会社に対するアンケート結果を参考に、強い要望があったグローバル化に対応した品質管理教育を実践できる人財開発のためのプログラムを計画期間2年から3年かけて開発することを目標においています。その最終目標は、「品質管理教育プログラムの標準化」です。
具体的には、参加企業のケーススタディ及びアンケートを通して、これまでの品質管理教育の問題点と求められている教育担当者と教育対象者の人材像(コンピテンシー)を分析した上で、グローバル化する品質管理教育プログラムの一般要求事項と個々の企業が求める要求事項に分け、前者の一般要求事項を中心に学会標準を開発・提案します。
初年度の今期は以下のことを実施します。
1)ケーススタディによる教育プログラムに求められる要求事項の検討
2)アンケート調査とその分析
3)シンポジウムの企画と開催 |
第42年度の国際委員会は、第41年度の活動を基盤に、以下の事業を実施します。
(1) |
第11回ANQ (Asian Network for Quality)大会への協力
2013年秋に、タイのバンコクで第11回ANQ大会の開催が予定されています。ANQ理事組織であるタイのSQATが主催します。大会開催の支援やアドバイスをJSQCとして継続的に行っていきます。日本からの参加者についても、ANQでのリーダーシップを発揮できるよう、引き続き多くの参加者を募る予定です。また、若手研究者の育成を目指した、若手研究者への旅費支援援助を継続します。 |
(2) |
ANQの安定的発展のための調整
2013年の春に韓国で、秋にはタイで、ANQ理事会が予定されています。JSQCとしてANQの発展に積極的に関与しています。ANQ理事会に先立って行われるANQ-CEC(ANQの品質管理検定委員会)にも委員を派遣し、良い方向に導けるよう議論をリードします。ANQの参加組織も着実に増加し、アジア以外の組織も参加する情勢にあり、その中でリーダーシップを発揮できるようANQ 理事会に出席予定です。 |
(3) |
海外の品質に関連する学協会とのアライアンスに関する具体的な検討
幅広く海外の学協会と交流をもつための具体的方策について継続して検討する予定です。特に、ANQ関係団体と交流し良い関係を作りはじめました。さらに、ANQ関係団体以外に対しても若手会員が交流する際の支援ができるようなプログラムを検討中です。また、世界に対しては、ANQを通じて、アジアとして広く意見を発していく予定です。 |
JSQC規格「日常管理の指針」については、原案作成を終え、審議委員会での議論、パブリックコメントの募集などを経て、2013年4月を目途に発行する予定です。
QMS部会と連携しながら、ISO 9001に基づくマネジメントシステムやその認証をより役立つもの、信頼性の高いものにするための指針をJSQC規格として発行するための検討を開始します。また、「プロセス保証」に関する指針についても検討を始めます。
「JSQC規格講習会」については、事業委員会等と連携し、参加希望者の様子を見ながら、半年に一度くらいの頻度で開催する予定です。
広報委員会等と連携し、JSQC規格をはじめ、部会・研究会報告書/JSQC関連出版物などの普及・拡大に取り組みます。
第42年度も引き続き、FMES代表者会議、FMES/JABEE委員会、FMESシンポジウムに参画し、経営工学関連学会との交流、JABEEの審査活動、FMESシンポジウム等の活動に、中核団体として協力します。日本学術会議の体制変更にともない、FMESの規定等も見直しを行う必要が出てきています。FMESのルール作りに関しても、積極的に参画していく予定です。
横幹連合に関しては、どのような関わり方をすべきかについて方針を検討し、今後の活動計画を明確にしていきます。
第42年度も引き続き若手研究者に対する研究助成を行います。募集要項の主な内容は以下の通りです。
「助成金額は1件5万円で4件以内。対象者は、日本品質管理学会の正会員もしくは準会員、申請時に35歳以下で大学・研究所・研究機関等において研究活動を行っている者、留学生の場合は日本の大学院に在籍する外国籍の留学生等の要件を満たす者(年齢制限はありません)とします。すでに2回採択された者は選考対象から外し、助成対象は品質管理に対する研究全般およびANQ以外の国際会議での研究発表への旅費支援も含めます。期間は1年間(2012年10月から2013年9月)です。研究成果を品質誌へ投稿、あるいは、研究発表会などで発表することを奨励します。」
本相談室は学会ホームページ上で運営・展開されています。例年、レベルの高い質問が寄せられ、それに対するボランティアの活発で的確な回答がなされ、一定数の閲覧者も獲得しています。第42年度はこの質の高さは維持しつつ、より開かれた、より活発な質疑応答をめざす予定です。今以上に気軽に利用できるよう、すべての学会員が相談室を認知するよう、いっそうの広報活動(ニューズやML、学会主催のシンポジウム、研究発表会、事業所見学会の場の活用)を行っていきます。
17.TQE(問題解決力向上の為の初等中等統計教育)特別委員会 |
初等中等統計教育が“生きる力”をはぐくむ教育となるべく、この3年間の活動を継承し、以下の取組みを行います。
(1) |
産官学協力の下に JSQC主催 第3回 科学技術教育フォーラム
「科学技術立国を支える問題解決教育−教科横断的な問題解決能力の育成とその指導力の開発−」を開催し、数学・情報・理科をはじめとする教科横断型の問題解決学習の普及に努めます。 |
(2) |
初等中等統計教育における「生きる力」育成への活動支援として、第40年度に設立した統計グラフ全国コンクールにおける日本品質管理学会賞の周知・徹底を図り、応募件数の増加と、その質の向上に努めます。 |
(3) |
問題解決基本3ステップをさらに洗練し、普及すべく、多くの事例を作成し、JSQC HPでのWEB公開を通した問題解決力向上とその啓蒙・普及を図ります。 |
(4) |
初等中等向け問題解決のテキストとなる本を企画・出版します。 |
原子力安全特別委員会と運輸安全特別委員会を統合し、名称を変更します。また、これにともなって、医療の質・安全部会との連携、より広い領域(食品など)での安全・安心に係わる他組織との連携などにも取り組んでいきます。
日本原子力学会(ヒューマンマシンシステム部会/社会・環境部会)等との共催の「原子力の安全管理と社会環境に関するワークショップ」を継続します。また、原子力安全基盤機構、自動車事故対策機構等の審議についても引き続き参加・協力していきます。ISO 39001については、本年10月に既に発行され、認証制度の立ち上げと普及、支援規格の開発が今後の課題です。
運輸安全の専門家と特別委員会の委員による検討会の結果を踏まえ、運輸安全確保のために品質管理の視点から取り組むべき課題を整理し、品質誌に掲載します。
「JSQC選書=品質管理に関する、非専門家向け高度教養講座」の地位を確立すべく、引き続き、品質立国日本再生に寄与するテーマで良質の書籍の発刊を目指します。
並行して、第43年度以降の選書テーマ候補を充実させ、時宜を得た発行計画の立案を行います。その際、JSQC選書既刊本に対する読者の声の収集・把握に努め、今後のテーマ選定等に活かします。必要があれば、テーマ選定から発刊までの一連のプロセスを改善します。書籍の内容と購入者の傾向や関係を探ることも考えます。
また、JSQC選書の知名度向上に向け、有効な広報策について検討・実践を試みます。
一般社団法人への移行が完了したことから、本特別員会の任務もおおむね終えたことになります。したがって、本特別委員会の活動は第41年度にて終了し、残務処理は合同委員会にて対応します。
(1) |
ソフトウェア部会 |
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1) |
実践的知識の集積・形式知集の完成を目指します。
今期は、ここ数年取り組んでいる研究活動を知識体系としてまとめ上げ、公開することを目標とします。この活動は、ソフトウェア開発における日本的品質管理のやり方・ノウハウを集積し、実践的でかつ効果的な知識として形式知化する活動です。また、その研究成果に関するシンポジウムを開催する予定です。 |
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2) |
ソフトウェア開発関連のイベントに積極的に協賛・後援します。
昨年度に引き続き、ソフトウェア開発関連の各種行事を後援・協賛し、部会メンバーの便宜を図るとともに、部会自体の広報を図ります。 |
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3) |
新たな活動の開始を目指します。
ソフトウェア品質に関係する新たな研究活動を検討し、可能なものから具体的な活動を実施に移します。このことにより、部会メンバーへのサービスの向上を図ります。 |
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(2) |
QMS有効活用及び審査研究部会 |
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第41年度から引き続き次の7つの研究テーマに関して、1回/月の頻度で第4期研究活動を行います。
WG1「適合性を証明する審査の研究2」
WG2「WG1の研究内容の検証」
WG3「ビジネスプロセスにおけるQMSの位置付け」
WG4「経営に役立つ『自己適合宣言』の研究」
WG5「次世代対応の第二者監査技法の研究」
WG6「経営に貢献するISO9001 推進の研究2」
WG7「有効性を高める審査活動のための審査ツールの標準化」
今後は、第143回シンポジウムの意見をもとに継続して研究活動を推進する予定です。研究成果のアウトプットは、研究成果報告書やJSQC規格として発行する予定です。JSQC規格として制定された場合には、規格制定説明会を開催します。 |
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(3) |
医療の質・安全部会 |
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第42年度も前年度に引き続き、研究活動はPCAPS、医療QMS等を中心に進めていきます。医療QMSについては、これまでの6年間の活動により基礎となるQMSモデルの開発が進み、10病院での導入・推進が終わり、QMSの基盤構築が進みました。今後は、医療TQMへの発展を視野に入れたモデル開発を進めるとともに、医療界全体への啓発・推進活動を進めていく予定です。2013年3月には、PCAPSと医療QMSのシンポジウムを開催する予定です。研究成果の発表は、JSQCだけでなく、医療関連の学会でも積極的に発表していきます。
教育・啓蒙活動については、医療の質マネジメント基礎講座が医療安全管理者養成研修として認められたことから、受講生の大幅な増加が見込まれます。第41年度の講座は本年9月に終了しましたので、受講生からのフィードバックを受けて内容の見直しを行い、また開催頻度や定員等について検討し、第42年度の計画を立案する予定です。さらに、教材の充実、講師の育成にも努めていきます。
部会員数については、医療者の入会がさらに増えるように、広報活動を行っていきます。 |