社団法人日本品質管理学会
第38年度 |
自 2008年(平成20年)10月 1日
至 2009年(平成21年) 9月30日 |
事業計画 |
38年度は、学会運営を「Qの確保」、「Qの展開」、「Qの創造」と「共通領域の推進」の4本柱で継続推進する方針としました。そしてこれに基づき策定した第2期中期計画の最初の年度であります。
本学会を取り巻く環境は一段と厳しい状況にありますが、変革する社会に貢献する品質管理を目指して中期計画を着実に実現して行く事が、「品質立国―日本の再生」への王道であり、また本学会が社会に大きく認知され、そのポジションの向上に繋がると信じて推進してゆく所存です。
第1期中期計画は、学会として初めての試みの為、関係者に多大の労力をかけ「生みの苦しみ」を経験しましたが、第2期はこれを立派に育て学会として有効に活用し合うものにして行く所存です。この為に、本年度もローリングを行い又PDCAも回して、学会として優先度の高いものを明確にし的確に対応して行きます。
具体的な施策は次の通リです. |
(1) |
「Qの確保」では、産学連携の拡大を図ります。この為に従来のA、B2社については成果の刈り取りと技術活用事例としての発信を、新規テーマはC、D、E、Fの4社に業態を拡げてトライ着手を進めます。また、信頼性・安全性計画研究会については3年目の最終年度の成果取り纏めと提言・発信を行います。 |
(2) |
「Qの展開」は、従来から精力的に取り組んでいる医療分野については新たな目標を設定し展開の高度化・拡大を計ると共に、社会インフラとして安全・安心ニーズの高い原子力についても関連部門との連携を強化し安全管理技術の確立に貢献して行きます。 |
(3) |
「Qの創造」はサービス分野の顧客価値創造に向けた活動を継続してゆくと共に、日本科学技術連盟の「次世代TQMプロジェクト」と共同で次世代の核となる革新的な技術の開発へ挑戦して行きます。 |
(4) |
「共通領域」では、まず学会発信として新版品質保証ガイドブックの最終原稿の完成(2009 年11月出版予定)やJSQC選書7冊の発刊をそれぞれ日本科学技術連盟、日本規格協会と提携して推進します。
学会員の質量の拡大に関しては、学会員の満足度向上のための組織的な取組みや受験者が順調に増加しているQC検定の合格者への勧誘などを進め、個人会員・賛助会員の増加を図ります。
国際連携では、来年9月に開催されるANQの東京大会は本学会がホストとなりANQ Wayに則った運営を行い、アジアの品質分野の関係者との連携強化を図ります。
公益法人法の改正への対応については、検討WGを立上げて5年後の移行期限に向け、対応調査分析及び学会組織・運営体制の見直し整備の準備を開始します。
また、2010年の40周年に向けて、記念事業の準備検討に本年度から着手して行きます。
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最後に、学会を取り巻く環境の変化、課題の変化に適切に対応し発展して行くために、本学会の強みを活かし、弱みを改善して社会から信頼される学会に向けて会員各位と一緒にPDCAを回しながら活力ある学会にして行きたいと思います。 |
38年度は第2期中期計画のスタートの年です。第2期中期計画は第1期中期計画の成果と反省を踏まえて、各委員会や支部がPDCAに基づく新たな目標を設定しました。また学会40周年事業やANQの東京大会などの大きな行事への対応も盛り込みました。本委員会は第2次中期計画で設定した目標達成のための取組みが計画通りに始動するように関連委員会と連携しながら推進してゆきます。
主な推進事項は下記の通りです。 |
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(1) |
産学連携テーマの拡大(新規4社トライ着手) |
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(2) |
学会を取り巻く課題の把握と対応検討(SWOT分析の実施) |
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(3) |
ANQ東京大会の開催(国際委員会と連携) |
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(4) |
公益法人法改正対応WGの立上げ(対応課題の調査分析、庶務委員会と連携) |
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(5) |
40周年記念事業のWGの立上げ(記念事業案検討、庶務委員会と連携) |
第38年度本部行事の基本的構成は、37年度同様
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(1) |
年次大会、研究発表会各1回 |
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(2) |
シンポジウム3〜4回 |
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(3) |
講演会1〜2回 |
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(4) |
事業所見学会3回 |
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(5) |
クオリティパブ5〜6回 |
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(6) |
ヤングサマーセミナー1回 を予定しております。 |
(中部支部、関西支部の行事に関しましては各支部の事業計画をご参照下さい。本部では 両支部とも連携を図り、事業を企画します。)
日本経済の再生と持続的成長のためにTQMが貢献すべき分野をテーマにした事業を今後も企画いたします。また、企業が直面する重要な課題をその都度取り上げ、理事の方々や代議員の方々を含めた会員の皆様の要望に応えるタイムリーなシンポジウム、講演会等を開催いたします。第38年度の本部事業の重点方針を中期計画から下記のように定めて、会員の要望に応えるべく最大限の努力をして参ります。
(1) |
部会/研究会活動との連携・・・特に第37年度と同様に部会の増大とその活発化に伴いその成果を発表する場をシンポジウム、講演会等で積極的に提供します。 |
(2) |
品質誌との連携・・・特集記事との内容面・講演者等での連携をはかり、魅力的なシンポジウムや講演会を開催します。 |
(3) |
研究発表会の開催・・・2日間でも消化困難なほど件数が増大しており、新たな方策(大学施設で実施、3日間開催等)を考慮します。 |
(4) |
ヤングサマーセミナーの開催・・・インカレゼミの支援を中核として次世代へのTQM の継承と発展のためのプログラムを実施します。 |
(5) |
コミュニケーションの場の充実・・・本部独自のクオリティパブなどで一層会員の相互交流を促進します。 |
(1) |
中部支部の基本方針
日本のものづくり品質における信頼の基盤が揺るぎつつある中で、ものづくり現場で今なにが起こっているのか、現地・現物で確認し、ものづくり現場で実際に役立つ活動、産と学に実効のあがる活動を展開します。
【スローガン】「産学連携による『実践的Qの確保』の構築」
・ |
産側からの問題提起と学側での掘り下げ、方法論の理論付けを行う研究会活動を基盤とし、「Qの確保」を実践するものづくりのプロセスを構築します。 |
・ |
産と学の連携により、ものづくりのプロセスを俯瞰した新しい品質確保の「仕組み」と技術者の知恵をだす「仕掛け」について議論を行い、具体的な解決方法をタイムリーに発信していきます。 |
・ |
産と学に実効が上がる魅力ある行事を企画、会員の活性化と行事への参加を促します。 |
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(2) |
行事計画の具体的な進め方
1) |
研究発表会 |
[1回/年] |
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・発表者と参加者の双方が研鑚できる発表会の企画・運営、研究会活動の成果を発表します。
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* |
学側の新しい研究成果と産側からの具体的実践事例を組み合わせた内容を企画します。 |
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* |
産学連携現地現物研究会、若手研究会、医療の質管理研究会と関連研究会の成果を発表します。 |
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2) |
シンポジウム(基調講演とパネル討論会) |
[1回/年] |
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・学会員の関心が高く、開発から生産・販売、さらに、多くの業種・業態に対して問題提起と問題解決につながる企画・運営とします。
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* |
産学連携現地現物研究会、若手研究会の成果をもとに、「実践的Qの確保」についてものづくりのプロセス全般を考え、活発な議論と参加者の問題意識に対して答えを出す場を目指します。 |
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3) |
講演会 | [1回/年] |
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・学会員の関心が高く、「Qの確保」に沿ったテーマを選定し企画・運営します。
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* |
産側の実践活動(未然防止と自工程完結の実践事例など)と学側の新しい研究成果を組み合わせます。 |
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4) |
事業所見学会 |
[2回/年]
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・新しい発想や工夫を凝らした特色ある事業所、色々な業種・業態の参考になる事業所を選定します。 |
5) |
幹事研修会 | [2回/年] |
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・行事企画、運営のレベルアップにつなげるため、幹事が研鑚・議論できる研修を企画します。
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6) |
研究会(「Qの確保」のための問題提起と解決方法を議論し、実践につなげる場とします) |
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・東海地区若手研究会(名古屋工業大学;仁科教授)[1回/2ヵ月; 6回/年]
・北陸地区若手研究会(金沢工業大学;石井教授) [3回/年]
・産学連携現地現物研究会(早稲田大学;永田教授、アイシン精機;神尾常務役員) [5回/年]
・中部医療の質管理研究会(朝日大学;國澤教授) [10回/年]
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(1)運営の基本方針
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日本経済はバブル崩壊後の長い低迷から脱して新たなステージに入っていますが、低炭素社会の実現、資源価格の高騰や金融不安の高まり、将来への不安感の高まりなど、これまでにない課題に直面しています。そして、今後日本経済の成長力を強化するとともに、豊かで安心できる生活を実現するための道筋を示すことが求められています。
このような状況の中、日本の文化や産業を支えてきた"ものづくり"、"サービスづくり"をさらに発展・継承していくためには、品質管理の果たすべき役割がますます大きくなってきています。
関西支部では、品質管理のレベルをより一層高めるための、品質力、組織・マネジメント力、現場力、顧客対応力の向上策について具体的に提言することにより学会員に貢献します。
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1) |
品質力の向上 |
2) |
組織・マネジメント力の向上 |
3) |
現場力の向上 |
4) |
顧客対応力の向上 |
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(2)具体的な事業内容
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1) |
事業所見学会 |
[3回/年] |
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会員の関心の高い、特色ある事業所を選定します。 |
2) |
シンポジウム |
[2回/年] |
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会員のニーズを把握した、内容の濃いシンポジウムを企画します。 |
3) |
講演会 |
[1回/年] |
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関西地区の地盤強化に寄与できる魅力ある講演会を企画します。 |
4) |
研究発表会 |
[1回/年] |
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学と企業のニーズをマッチさせ、産学で相互に研鑚できる発表会を企画します。 |
5) |
研究企画 |
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学と企業のニーズをマッチさせたテーマを設定し、新たな管理技術の開発や現場力の向上に貢献します。 |
6) |
会員サービス |
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会員による会員のためのサービスを見直し、充実を図り、組織強化に結び付けます。 |
7) |
QCサロン |
[6回/年] |
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会員による開かれた、参加して楽しい、聞いてためになるQCサロンを運営します。 |
(1) |
前年度方針を引き継ぎ、論文審査において、査読意見を参考にしつつも論文誌編集委員会の主体的な判断に基づき採択の可否を決定していきます。また、「著者責任」を基本とし、新規性・価値のある主張を含む論文については原則として掲載する方針は、従来と変更ありません。中計にも挙げましたが、年間の掲載数15本を目指します。 |
(2) |
投稿論文審査の迅速化に関する施策について検討します。これに関連して、幹事制度についても、必要な見直しを行います。 |
(3) |
前年度を引き継ぎ,国際委員会と協力して7thANQへの論文発表促進と若手研究者への論文作成援助を積極的に行います。 |
(4) |
6thANQに発表された論文の品質への投稿促進など、さらなる投稿論文数の増加を目指します。投稿論文は、博士の学位取得を目指す方々の投稿数がもっとも多くなっています。したがって、投稿数を増やすための施策として、修士課程の学生に働きかける方策についても検討します。 |
(5) |
研究発表会のbest presentation賞などの創設の可能性について検討していきます。 |
第38年度は、特集テーマとして会員アンケート結果から関心の高い分野に焦点を当てると共に、品質に関する世間の関心の高い分野にも焦点を当てた企画とするよう検討して参ります。また、本部や各支部主催のシンポジウムからもテーマを検討して参ります。
現在のところは前半2号のテーマが決まり、残りについても検討を進めています。
Vol.38-4 (2008年10月発行予定):特集「信頼性・安全性の確保と未然防止」
Vol.39-1 (2009年1月発行予定):特集「実務に役立つSQCの再普及(仮)」
Vol.38-2 (2009年4月発行予定):特集「QCサークル活動」に関するテーマを検討中
Vol.39-3 (2009年7月発行予定):検討中
(1)Webページの閲覧者数の増加 |
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現状は、学会からの情報提供がほとんどですが、会員相互のコミュニケーションの場としてもWebを活用すべく、現在ほとんど利用されていない「意見交換の場」を活性化すると共に、安定した運用が続いている「品質管理相談室」の更なる投稿を増やすべく、各種施策を実施します。 |
(2)各種報道機関への積極的プレスリリース |
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品質管理選書の発刊、品質保証ガイドブック(新版)の編集、各種事業など、従来会員を主たる対象としてきた活動が、社会全体へ広がりを見せています。今まで学会員の中で蓄積されてきたさまざまな知見や、学会として社会へコミットする姿勢を明確に示すという意味で、従来会員に伝達されていた各種お知らせなどを、積極的に各種報道機関などへプレスリリースします。品質にかかわる人たちに学会の活動を知ってもらうと共に、会員としての参加を促進します。 |
前年度に引き続き、事業委員会、広報委員会との連携を強化し、学会員の若手増強、賛助会員数の維持・拡大を課題とする中期計画の達成を目指し取り組んでいきます。
特に、非会員への学会活動の広報活動の拡大により、新規会員増強に努めます。一昨年度より取り組んだ、QC検定合格者へのアプローチ、有力企業への直接コンタクト等を継続的に重点的に行うとともに、「Qの展開」、「Qの創造」に伴う学会活動領域の拡大に呼応した会員増強施策を検討いたします。会員の増強に当たっては、会員情報の分析をもとに、要強化領域を見極め施策展開を努めてまいります。
会員資格審査につきましては、理事会メンバーの協力を頂くなかで粛々と実施してまいります。
中期計画に基づき、前年度から継続して、定款・規程・内規及びマニュアルの見直しを行い、規定類間の繋がり/相互関係をより明確にしていきます。
また、庶務委員会をはじめとする各委員会からの要請に基づき、新規制定、改訂、廃棄等の維持管理を、適切に行います。
各研究会は、中期計画の骨格である、Qの確保、Qの展開、Qの創造のいずれかの位置付けの中で、成果は順調にアウトプットされているので、さらにその継続を行っていきます。
また、新時代の要請に応える品質マネジメント技術の向上を目指し、中期計画にある研究会発足の支援方法の新たな仕組みの構築を目指します。
例えば、
1) |
時間軸的拡大(次世代への拡張)について、若手が育つような研究会の仕組みを整える |
2) |
空間的拡大に関して、他学会との共同研究会の発足を模索 |
3) |
将来に向けて必要性が増すと予測される品質管理分野の研究会の発足 |
また、現在は、中期目標である外部資金獲得に関して、「テクノメトリックス計画研究会」が母体となって、科学研究費(基盤研究(A))(平成19年度から22年度の4年間、研究題目「品質工学(タグチメソッド)の理論と応用に関する学術的研究」)を獲得していますが、他の研究会に関しても、外部資金獲得を目指します。 |
(1)テクノメトリックス研究会
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テクノメトリックス研究会では、37年度に引き続き、品質管理に役立つ手法、考え方を幅広く探索します。研究の方向性は昨年度と同様、メンバーが興味あるテーマを持ち寄り、それについて議論を行い品質管理の手法として確立できるようにします。本年度は昨年度に引き続きタグチメソッド全般とMTシステムについて重点的に議論を行う予定です。開催も昨年度同様、おおむね3ヶ月に1度を考えていますが、シンポジウムの開催も念頭にいれております。
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(2)医療経営の総合的「質」研究会
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従来までの研究活動を継続して、第38年度もわが国の医療の質向上への貢献を図ることを目的とし、医療関係者と品質管理関係者の相互交流を通じて、医療における品質管理や総合的「質」経営に関する検討を進める予定です
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具体的には、 |
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1) |
「医療の七つ道具」(仮称)の開発 |
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(1)「医療の七つ道具」(仮称)テキストを12月中に完成 |
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(2)「医療の七つ道具」(仮称)の試験的導入と効果検証 |
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2) |
医療機関におけるTQM普及を促進する医療制度・政策のあり方の提案 |
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(1) |
TQMの基本的な考え方、組織的推進方法、ツールの活用方法について概念整理し、その結果を学会発表・論文投稿 |
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(2) |
先進的な取り組みを行う国外の医療機関におけるTQM実施状況(例:MB賞受賞病院事例)に関して調査し、その結果を学会発表・論文投稿 |
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(3) |
国内外の医薬品・医療機器メーカー等におけるTQM実施状況とそれに関連する制度・政策に関して調査し、その結果を学会発表・論文投稿 |
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3) |
TQMに基づく病院建築に伴う質保証の現状の把握
(1)現状の把握とTQMに基づく病院建築質保証チェックリストの開発
上記をふまえて、全日本病院協会と協力して、病院経営改善のための講演会を年度中3回予定しています。 |
(3)信頼性・安全性計画研究会
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下記の項目に関し、分野別のベストプラクティス、委員の研究成果発表、委員間の情報共有と討議を行い、あらたな開発・提案を行うと共に、研究会としての成果をまとめ、情報発信を行います。 |
1. 信頼性・安全性作り込み技術の提案 |
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1) |
36・37年度に提案した RCA(根本原因分析)ならびに新規トラブルの未然防止法に関するさらなる検討と討議 |
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2) |
ハザードに着目した根本原因分析に関する討議 |
2.
安全・安心を達成するための社会インフラ構築に関する提言 |
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1) |
品質と安全を重視する組織文化確立のためのさらなる討議と整理 |
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2) |
ユーザ・メーカ・社会行政の三者の協業による信頼性・安全性確保に関するさらなる討議とその提言 |
3.
研究成果のまとめ |
… |
研究会での成果のまとめと情報発信 |
(4)サービス産業における顧客価値創造研究会
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1. |
第1回サービス産業実態調査の更なる分析・・・本年2月に実施した実態調査の、企画方法面の分析を行い、第38回年次大会にて発表いたします。 |
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2. |
仮説立案の方法論の研究・・・サービス産業での価値創造の要となる仮説立案に関して効率的な方法論を検証し、提案します(次回研究発表会で公表予定)。 |
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3. |
第2回サービス産業実態調査の実施・・・絞り込んだサービス産業従事者に対し更なる調査を実施し、モデルの優位性を方向付けいたします(次回研究発表会で公表予定)。 |
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4. |
サービス産業向きのシステマティックな方法論の定式化・・・以上の種々の研究成果と研究会内部での事例報告を踏まえ、単なる一般論の研究ではなく、具体的で活用できる方法論を提案する準備をいたします。 |
第38年度の国際委員会は、第37年度の活動を基盤に、以下の事業を実施します。
(1) |
第7回ANQ(Asian Network for Quality)大会の主催
2009年9月15日〜17日には、ANQ大会を、東京・早稲田大学理工学部キャンパスに招致して主催することになりました。その大会の成功を期して既に第38年度からは、国際委員会の委員のさらなる増員を行い、準備を始めています。大会には多くの参加者を募ります。ANQ発足時に掲げられたANQの理念を実現できるような大会となるよう取り組みます。
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(2) |
ANQ活動への積極的な支援・参加、ANQの基盤確立へ
ANQの活動に積極的に参画します。特に、2009年春には、台湾でANQボードメンバ会議が予定されていますので、参加いたします。また、ANQ内で議論が始まった、アジア品質管理賞や品質管理検定についても健全な発展を期すよう検討を深めます。そしてANQそのものの基盤の充実にむけて積極的に取り組みます。 |
(3) |
海外の品質に関連する学協会とのアライアンスに関する具体的な検討
ANQ内の各組織を重点として、幅広く海外の学協会と交流をもつための具体的方策について検討し、関係学協会と積極的に交流し、本会会員に有用な国際活動を展開できるように務めます。 |
品質管理用語の解説と定義の第2弾を引き続きすすめ、第1弾とあわせて150語程度の用語解説と定義化を目指していきます。あわせてこれらの用語解説と定義をベースにして、JIS化に向けてWGを設置して検討をすすめます。
また、品質関連標準の最近の動向について説明会などを計画して、広く標準動向の理解を深めていただきます。その他、学会活動全体の中から、標準化をすすめるにふさわしいテーマを検討するプロセスの整備をすすめます。この一環として、「会員の倫理的行動のための指針」見直し提案がされており、関係区と調整の上見直しをすすめます。
また、品質保証ハンドブック発刊準備活動が、同特別委員会にてすすめられていますが、当委員会も引き続き支援をしていくものとします。
38年度も引き続き、FMES代表者会議、FMES/JABEE委員会、FMESシンポジウムに参画し、経営工学関連学会との交流、JABEEの審査活動、FMESシンポジウム等の活動に、中核団体として協力してまいります。またFMES代表者会議では、日本学術会議の総合工学部会WGのテーマとリンクした活動を強化して行く予定です。学会員の方々のご協力を引き続きお願い申し上げます。
横幹連合シンポジウムへの当学会からの積極的な参加・発表を行います。「リスク・安全と社会」分野では2008年12月4日、5日開催の第2回横幹連合総合シンポジウムにて、当学会の信頼性・安全性計画研究会よりの発表とパネル討論に参加し、リスク・安全への横幹的なアプローチの導入を検討します。
第38年度も引き続き若手研究者や留学生に対する研究助成を行います。内容は昨年度とほぼ同じです。
募集要項の主な内容は以下の通りです。「助成金額は1件10万円で5件以内。対象者は、日本品質管理学会の正会員もしくは準会員で、申請時に35歳以下で大学・研究所・研究機関等において研究活動を行っている者、日本の大学院に在籍する外国籍の留学生等の要件を満たす者といたします。留学生に対しては審査時に配慮します。すでに2回採択された方はご遠慮ください。助成対象は品質管理に対する研究全般です。期間は1年間(2008年10月から2009年9月)です。」
今後の検討課題としては以下が挙げられ、中期計画にも盛り込まれました。第38年度はそのうち、1、2の対策を速やかに検討し、3については委員間の意見調整を始めることになります。
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1. |
応募状況の確認手順の確立 |
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2. |
留学生の応募促進対策 |
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3. |
審査委員の交代基準の制定 |
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4. |
応募書類の個人情報の管理 |
QC相談室は、会員の品質管理に対する疑問点や企業での品質管理、品質保証の推進においての悩みなどをもとに、質問者と回答者のやり取りでコミュニケーションを深めていく重要な会員サービスの一環と位置づけています。質問者から内容に関する回答は、品質管理学会の会員から積極的に書き込みを期待しており、複数の回答者の考え方や意見にもとづく議論の発展を期待するものです。この活動は次年度にも続けてより発展させていきたいと考えています。
37年度に引き続き、日本原子力学会(社会・環境部会/ヒューマンマシンシステム部会)等の共催による「原子力発電の安全管理と社会環境に関するワークショップ」を開催します(2009年3月および9月)。また、原子力安全基盤機構や社会安全研究所が中心となって進めている「原子力安全に関する技術マップ・人材マップ」の作成をはじめ、様々なガイドラインや規格の制定に参画し、支援を行います。さらに、JSQC選書の一つとしてRCA(根本原因分析)に関する原則・手順を解説したものを発行する予定です。
「JSQC選書=非専門家向け高度教養講座」の地位を確立すべく、引き続き、品質立国日本再生に寄与するテーマで良質の書籍(7冊程度)の発刊を目指します。
並行して、第39年度以降の選書テーマ候補を充実させ、時宜を得た発行計画の立案を行います。その際、前年度に発刊したJSQC選書4冊に対する読者の声の収集・把握に努め、今後のテーマ選定等に活かすとともに、必要があれば、テーマ選定から発刊までの一連のプロセスを改善します。既存の読者の声の収集方法に問題・改善点はないか、検討することも考えます。
また、JSQC選書の知名度向上に向け、有効な広報策について検討・実践を試みます。
改訂いただいた最終原稿をもとに、最終的な編集・調整を行い、2009年2月の脱稿を目指します。著者による校正、編集特別委員会による最終校正を経て、2009年11月に発行の予定です。
(1)ソフトウェア部会
1) |
実践の集積・形式知マップの作成
昨年度に引き続き、ソフトウェアの日本的品質管理の姿を再構築するため、ボトムアップ的に実践を集積し、形式知マップの作成を行います。おおよそ3週間に一回程度の会合を開き、38年度中に一定のアウトプットを公開することを目指します。 |
2) |
対外活動
昨年度に引き続き、ソフトウェア関連の各種行事を後援し、部会メンバーの便宜を図るとともに、部会自体の広報を図ります。 |
3) |
研究グループ
少数のメンバーによる研究グループを新規に設置し、研究活動の活性化を図ります。また、既存研究グループの成果を定期的に報告し、ソフトウェアの質に関する技術向上に寄与します。 |
4) |
産学連携
1)の「形式知マップ」と関連して、その研究成果をベースとした、現場に根ざした研究活動を通じて産学連携の研究体制の確立を目指します。
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(2)QMS有効活用及び審査研究部会
6つの研究テーマに基づき1回/月の頻度で研究活動を行います。第二期研究活動2010年3月末を目標に完了する予定です。なお、研究成果は次の機会に発表する予定です。
・38年度5月の研究発表会での中間報告
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(3)医療の質・安全部会
第38年度も前年度に引き続き、研究活動はPCAPS、医療QMS等を中心に進めて参ります。部会を立ち上げてからの3年間は、研究活動を中心に進めて参りましたが、中計でも挙げましたように、今後の3年間では、教育・啓蒙活動にも力を入れていきたいと考えております。新規に立ち上げた医療QMS研究会では、2009年5月の研究発表会での最終成果発表に向けて活動を継続します。品質誌に最終成果を公表した後に、新テーマを取り上げた研究会の立ち上げを検討いたします。また、2009年3月には、PCAPSと医療QMSのシンポジウムを開催する予定です。
35-37年度の中計では、部会員数300名をめざしましたが、未達に終わりました。その一つの原因に、教育・啓蒙活動が十分でなかったことが挙げられます。3年間の研究活動の成果を生かして、テキスト等の教材を充実させ、教育・啓蒙活動を積極的に行っていきたいと考えています。また、医療関係者の入会、部会登録数を増やしていく必要があります。医療関係学会、雑誌、医療機関等への広報をさらに充実する予定です。