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学会誌「品質」
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JSQCニューズ 2019年3月 No.371

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■トピックス:JSQCフェロー制度について
■私の提言:品質不祥事:品質データ改ざんへの提言
・PDF版はこちらをクリックしてください →news371.pdf

トピックス
JSQCフェロー制度について 

庶務委員会 新倉 健一

 JSQCは,品質管理の見識に優れ、その実践により社会に貢献されている正会員(一般)に対して 「JSQCフェロー」として認定しております。

1. 資格要件
原則として次のすべての条件を満たす正会員(一般)が対象となります。
(1) 品質管理の見識に優れ、責任ある立場で指導的役割を果たし、学会の重要な活動に従事するなど社会に貢献している。
(2) 正会員(一般)として15年以上在籍している。
(3) 現役員、または、過去5年間に役員を経験したもの1名の推薦がある。
(4) 学会規則104「会員規程」で定める会費を納入している。
 
2. 申請方法
 JSQCフェローの認定を自ら申請する場合は、JSQCウェブサイトに掲載の書式に必要事項をご記入 の上、事務局に提出して頂きます。
 JSQCフェローの認定を庶務委員会から申請する場合は、一覧表を作成し、資格要件を満たしてい ることを確認の上、本人の承諾を得ます。
 
3. 認定および認定期間
 庶務委員会で選考し、理事会で認定します。
 JSQCフェローの有効期間は、定められた期間に会費を納入した翌年の1月1日〜12月31日と定められており、年度単位で申請しますが、正会員、またはJSQCからの申し出がない限り、認定は継続します。
 
4. 認定証明について
 認定証明書は発行いたしません。JSQCからの認定通知メール、またはJSQCウェブサイトの「JSQCフェロー一覧」が認定の証明となります。なお、JSQCフェローとして認定された会員の氏名は、原則と して本学会のウェブサイトに公開します。
 
5. 名刺への記載について
 JSQCフェローの肩書きを名刺に表示することができます。
 名刺に記載する場合には、「日本品質管理学会認定 JSQCフェロー」と正式名称を記述するなど、誤解を与えないような表現に留意してください。
 なお、JSQCフェローの英語表記は、“JSQC Fellow”と規定しております。
 
6. 年会費について
 JSQCフェローに認定された正会員(一般)の会費は、年額12,000円です。

 上述の運用ルールは、他学会のフェロー制度を調査の上、品質技術者認定制度との比較検討、および会員区分上の位置づけ(表・1参照)を勘案して、制度設計を行い、運用に至りました。

表・1 会員の種類
区分 概要
名誉会員  品質管理について、特に顕著な功績のあった者
正会員  品質管理について、知識・経験を有する者、又は品質管理の教育に関与する者
  一般
JSQCフェロー(認定)
  シニア 正会員のうち、一定の会員歴と年齢に達し、申請のあった者
  永世
シニア
正会員(一般またはシニア)のうち、一定の会員歴と年齢に達し、申請のあった者
職域会員 団体の品質管理に関係ある職域に携わる者
準会員 品質管理に関係ある、大学の在学生又はこれに準ずる者
賛助会員 この法人の目的に賛同し、その事業を援助する者又は団体
公共会員 公共性のある学校、図書館又は研究機関

 本制度は47年度にスタートし、2019年2月現在の認定者数は37名に至っております。JSQCフェローの普及により、会員の皆様の活躍の場がより一層広がり、品質管理の進展に寄与することを期待しております。
 また、JSQCフェローの普及に向けて、会員の皆様の格段のご理解およびご協力をお願い申し上げ、制度紹介のまとめとさせて頂きます。


私の提言
品質不祥事:品質データ改ざんへの提言

株)テクノファ 平林 良人

 

 昨今の組織の品質不祥事については、いろいろな品質不祥事が報告されており、層別して議論しないと問題の本質を見失ってしまう。品質データ改ざん、無資格検査、不良品流出、コンプライアンス違反、企業統治不全などが報告されているが、本稿では品質データ改ざんについて、日本社会全体で現状の「もの作り力」の実態を把握することを提言したい。品質データ改ざんをしたとされる組織は、日本社会にその名をよく知られた半世紀以上歴史ある製造組織ばかりであり、社歴が10年、20年の組織の報告はない。ここに注目すべきであり一つの仮説が成り立つと思う。それは長い歴史をもつ製品に製造変質が起きているという仮説である。製造変質とは、4M変化の概念であるが、10年、20年と少しずつ変化を重ねいつの間にか大きな変化になったことを意味し、昨今のデータ改ざんの裏では、実は良品を製造できないという本質的な問題があるのではないかという仮説を唱えたい。
1.原材料の変化
 製品の原材料に継続的に微小な変化が起きていないか。それも一つや二つの原材料にではなく多くのものに変化が起きていないか。この原材料の継続的変化に疑いを持つのは、ここ20年位に顕著であるサプライチェーンのグローバル化の展開により供給先が多様になっているからである。出荷検査、受入検査といった従来の検査の網では捉えきれない微小な変化が多くの原材料に起き、従来のレシピ、方法、手段では良品を製造できなくなっている可能性がないか。
2.人材の変化
 製造業を支える人材がこれまた継続的に変化している。雇用形態が終身制から有期制へ、身分も正規から非正規へ、国籍も日本人から外国人へと長期にわたって少しずつ変化しつづけ、今に至って気が付けば従来の人の持つスキルを喪失してしまっていないか。
3.設備の劣化
 工場にある目に見えない基礎、配管、配線などにメンテナンスを施すことは工場管理の常識であるが、これまた積年の微小な変化がいつの間にか大きな設備劣化につながってしまっていないか。
 このように長い間の微小な変化の積算が製造基盤を大きく変えてしまったとすると、その変化に応じて製造方法を工夫しなければならないが、それがされてきていないことを案じる。


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