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学会誌「品質」
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JSQCニューズ 2018年9月 No.367

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■トピックス: 総務省行政評価局主催「政策評価に関する統一研修」
■私の提言: 変革期を迎えたわが国の標準化
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トピックス
総務省行政評価局主催「政策評価に関する統一研修」

総務省行政評価局政策評価課 金子 真也

政策評価制度と総務省の役割
 政策評価は、各府省が自らその政策の効果を把握し、その結果を次期政策の企画立案に反映させ、実効的なPDCAサイクルを回していくものです。その目的は、効果的かつ効率的な行政を推進するとともに、国民に対して、政府の諸活動について説明する義務を果たすことにあります。
 総務省行政評価局(以下、当局)は、この政策評価制度を所管しており、制度の企画立案と、複数府省にまたがる政策の評価や各府省が行った政策評価の点検などを行っています。

政策評価に関する統一研修
 当局では、政策評価制度を推進する立場から、政策評価に関する共通の理解と認識の養成・啓発に資するため、各府省等の職員を対象に、平成13年度から「政策評価に関する統一研修」(以下、「統一研修」)を毎年度実施しています。研修では、国の政策評価の現状と課題や、政策評価に関する各種分析手法等についての講義、演習、先進的な事例の紹介を行っています。
 統一研修は、本府省の職員等を対象とする中央研修(講義型・演習型)と、各府省の地方支分部局、地方公共団体職員等の職員を対象とする地方研修があります。講義型の中央研修は、政策評価制度を広く定着、発展させていく観点から、政策評価に関する共通の理解・認識の養成・啓発を目的として実施しており、演習型の中央研修は、政策評価の実務を担当する職員の資質向上の観点から、政策評価に関する基本的知識や実務に係る内容を演習型で実施しています。また、地方研修については、実践的な評価能力の向上に資するための研修テーマを選定し、当該テーマに精通した専門家を講師として招き、全国各地で研修を実施しています。平成29年度においては、札幌、仙台、さいたま、名古屋、金沢、大阪、広島、高松、福岡及び那覇の10地区で開催しました。
 平成29年度における講義型の中央研修では、一般社団法人日本品質管理学会の椿広計理事を講師として招き、「データに基づく問題解決」をテーマとして「問題の発見」、「要因の分析」、「効果の把握」等について講義をしていただきました。当日は、過去最多の276名の受講者が参加し、盛況のうちに幕を閉じました。
 また、地方研修では、基礎編として、当局の職員から「政策評価の現状と課題」について講義した後、応用編として、中央研修(講義型)と同様に「データに基づく問題解決」の研修テーマで、一般社団法人日本品質管理学会所属の専門家の方々(関西大学・荒木孝治教授、東京理科大学・安井清一講師、広島工業大学・久保田洋志名誉教授、東京都市大学・兼子毅講師、名古屋工業大学・仁科健教授、岡山商科大学・西敏明教授、東京理科大学・鈴木知道教授、東京理科大学・尾島善一教授)に講義をしていただきました。参加者からは、「統計的な知識を実務の中でどう用いるのか、品質管理におけるデータ分析手法が行政にどう生かせるのかなど、統計的知識やデータ分析手法を学ぶのに良い機会になった」などの声をいただきました。この場を借りて、本研修で講義いただいた日本品質管理学会の方々に御礼申し上げます。

政策評価制度における最近の動向
 昨年5月の「統計改革推進会議最終取りまとめ」を踏まえ、各府省では、「証拠に基づく政策立案」(EBPM:Evidence Based Policy Making)を推進していくこととされています。EBPMを推進する目的は、限られた資源を有効に活用し、国民により信頼される行政を展開することです。当局は政策評価制度を推進する立場から、このEBPMに関して、各府省と課題を共有し、実践につなげるために様々な取組を行っています。その取組の一つが統一研修であり、EBPMを実践するために必要な人材を育成するべく、EBPMの基本的な考え方、施策の目的と手段を整理するロジックモデルの作成方法やデータの分析手法などを研修テーマとして取り上げていくこととしています。
 今後も、総務省行政評価局は、統一研修を通じて、政策評価に関する共通の理解と認識の養成・啓発に努めるとともに、各府省におけるEBPMの実践を進めていくために必要な人材育成にも取り組んでいきます。


私の提言
変革期を迎えたわが国の標準化

(一財)日本規格協会 研修ユニット長 吉川 勝也

 あらゆる製品やサービスがインターネットにつながる時代に入りつつあります。今や、AI、IoT、ビッグデータといった言葉を聞かない日がないほど、この分野について注目が集まっており、企業の競争力の源泉がデータやそれを活用したサービスへと移行しつつあります。
 このようなパラダイムシフトが起きている中、IoTやビッグデータといった分野での国際標準化がなされており、実際に、ISOでは国際標準の範囲がマネジメント・サービス分野にも拡大されている状況にあります。
 このような背景のもと、先の通常国会において、「不正競争防止法等の一部を改正する法律」(法律第33号)が可決成立し、工業標準化法(JIS法)の一部が改正されました。特に日本工業規格(JIS)の対象分野については、従来の鉱工業品、建築物に加えデータ、サービス、マネジメントが追加されました。法律名も工業標準化法から産業標準化法に改めるなど、昭和24年のJIS法制定以来の大きな改正といえます。
 これにより、例えばスマート工場向けのビッグデータや仕様や、物流、介護、更には新たな業態として広がりつつあるシェアリング・エコノミー等のJISを制定することも可能となり、それらの国際標準化を進めることで、日本が得意とするサービス業の海外展開や標準化を活用した新たなビジネスの創出が期待されるところです。
 他方、国際標準化の観点から、海外に目を向けると、欧米企業は標準化活動を市場創出のためのルール形成戦略と捉え、戦略的な国際標準化を推進しています。また、新興国においても、自国の産業能力を向上させるために、積極的に国際標準を自国の規制等に採用しており、ISO/IECの国際幹事の引受数を増加させるなど、標準化活動を主導する動きが活発化しています。
 ところが、標準化競争の勝者が市場を獲得する時代へと変化しようとしている中、我が国においては、標準を活用してルール形成を行う活動が進んでいない傾向にあり、ルールテイカーからルールメイカーへ、合わせてルールづくりを支える標準化人材の育成が極めて重要な課題であるといえます。
 学会活動の一端を担う者として、またわが国の標準化機関の一員として、“標準化”を通じてわが国の競争力向上に貢献できるよう微力ながら尽力したいと思います。


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