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JSQCニューズ 2018年5月 No.364

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■トピックス: JSQC規格発のJIS化 第二弾・第三弾 3月20日に公示
■私の提言: ソフトウェア品質の深い議論を
・PDF版はこちらをクリックしてください →news364.pdf

トピックス
JSQC規格発のJIS化 第二弾・第三弾 3月20日に公示
「JIS Q9027プロセス保証の指針」「JIS Q9023方針管理の指針」

標準委員会 安藤 之裕

 本学会規格として開発された「JSQC−Std 21−001:2015プロセス 保証の指針」並びに「JSQC−Std 33−001:2016方針管理の指針」をベースとして制定/改正された規格が、3月20日にそれぞれJISとして公示されました。これは、2016年にJIS化された「マネジメントシステムのパフォーマンス改善−日常管理の指針」に続く、本学会発のJISであり、2005年に第一期中期計画の中で施策として掲げられた「産業競争力の強化への貢献」の具体的な成果の一つです。
 JSQC規格は、品質管理学会が蓄積してきた知見に、企業が独自に獲得した知見を加えた現時点でのベストプラクティスを体系化した内容となっています。このため、規格制定には多くの方々のご協力をお願いしております。更にそのJIS化にあたりましては、産業界を代表する多くの方々にご協力いただきました。改めまして、厚くお礼申し上げます。

JIS Q 9023の改正の主なポイント
 JIS Q 9023は2003年、当時の“TQM 標準化調査研究委員会”によって開発されましたが、今回の改正は当学会で2016年に開発した「JSQC−Std 33−001 方針管理の指針」をもとに、旧規格を踏襲しつつも、大規模なものとなっています。その主な点は以下の通りです。
1) 旧規格の副題では、“方針によるマネジメント”という一般的な用語を使用していましたが、“方針管理”という、TQMにおいて定着している用語を用いるようにしました。
2) 箇条4の、方針管理のプロセスを示した図において、トップダウンによる説明・分解・具体化とボトムアップによる提案・追加・修正とを双方向に行う“すり合わせ”のプロセスが明確になるようにしました。
3) 新たに箇条5を設け、組織全体としての進め方に関する指針(箇条6)とは別に、各々の部門における進め方に関する指針を示しました。
4) 新たに箇条7を設け、方針管理を組織的に推進する場合の指針を示しました(導入期・展開期・運用期における推進の重点、方針管理の教育、方針管理のための標準・帳票・ツール、方針管理の評価など)。
5) 方針管理を理解する上で必要となる基本事項を、附属書A“総合的品質管理における方針管理の役割及び位置付け”ならびに、附属書B“方針管理の基本的考え方”としてまとめました。

プロセス保証の指針:JIS制定の主なポイント
 本規格は、2015年に当学会規格として開発された「JSQC−Std 21−001 プロセス保証の指針」をもとに開発制定されました。その主な点は以下の通りです。
1) 本規格ではプロセス保証を、「プロセスのアウトプットが要求される基準を満たすことを確実にするための一連の活動であり、品質保証、すなわち、顧客及び社会のニーズを満たすことを確実にし、確認し、実証するために組織が行う体系的活動の中核である。」と定義しました。
2) 箇条4では、4.1でプロセス保証の主要な構成要素として、標準化、工程能力の調査及び改善、トラブル予測及び未然防止、検査・確認、工程異常への対応を、また4.2以降で、それぞれの構成要素ごとに進め方、要点を具体的に示しています。
3) 箇条5では、プロセス保証に有用なツール類を示しています。
5.1では少数データに基づく工程能力指数の計算方法や、多数ある工程能力指数の中からの選択などに関する具体的な計算方法、推奨事項をまとめています。
5.2では、プロセスFMEAには、工程FMEA、作業FMEA、設備FMEAなどがあることも示し、これらの具体的な作成手順及び適用上の注意点を示しています。
5.3では、保証の網(QAネットワーク)を現実に適用する際の、具体的な作成手順及び評価方法を示しています。

 なお、本学会規格として、現在、7つの規格が制定され頒布されており、これらの規格はその制定直後に加えて、随時講習会を開催しております。
詳しくは、当学会ホームページをご参照ください。


私の提言
ソフトウェア品質の深い議論を

広島工業大学 情報学部 情報工学科 長坂 康史

 近年、情報工学分野は誰もが想像し得なかったほどの速度で急速に発展している。その傾向はハードウェア分野だけでなく、ソフトウェア分野においても同様である。さらに、インターネットに代表されるネットワークの爆発的な普及により、情報通信を前提としたアプリケーションの構築が一般的になるとともに、同一ハードウェアの性能向上のために、ネットワークを利用したソフトウェアの更新を行うことも容易にできるようになってきた。
 このネットワーク利用によるソフトウェアの更新はオンライン・アップデートという言葉とともに利用者に認知され、いまや、性能および機能向上に欠かせない行為として受け入れられるまでになっている。このソフトウェアというモノを完成させ、納品してからもアップデートという形で手を入れることができるという考え方は、ハードウェアになかった新しいことである。ハードウェアであれば納品後の管理が容易でないことから、十分な検査を経て品質の高い製品を納品することになる。しかしソフトウェアでは、適時、更新することが可能となったことで、不具合があればアップデートという形でソフトウェアの更新をすれば良いという考えが生まれ、ソフトウェアの品質低下の原因の一つになっていると考えられる。納品した後であっても修正が可能というソフトウェア特有の特徴は十分に活かす必要はあるが、そのことに甘えて品質を疎かにしてはならない。
 さらに、昨今の仮想化技術の発展などにより、多くのデータ、そして、アプリケーション・ソフトウェアまでもがクラウド上に配置されるようになってきた。その結果、今まで以上にソフトウェアの修正が容易になったが、このような状況であっても、ソフトウェアの品質についての議論は必要であり、むしろ、積極的に進めて行く必要がある。
 現代では、ソフトウェアが関わらないものはないと言っても過言ではない。総合的に考えて品質の高いモノを世に送り出すためにも、多くの開発者が同じ意識を持ち、これまでハードウェアに対して行ってきた品質の議論をソフトウェアにも拡げ、さまざまな角度からソフトウェアの品質を議論していくことを期待する。


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