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学会誌「品質」
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JSQCニューズ 2000年12月 No.225

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■ トピックス「第2回世界ソフトウェア品質会議」
■ 私の提言「ISOと品質パフォーマンス」

■ トピックス  第2回世界ソフトウェア品質会議


(2WCSQ:The Second World Congress for Software Quality)
−Software Quality for the Coming New Millennium−

インテック・ウェブ・アンド・ゲノム・インフォマティクス 監査役 河 合 清 博
第2回世界ソフトウェア品質会議(2WCSQ:The Second World Congress for Software Quality)が,2000年9月25日から29日にかけて,パシフィコ横浜の横浜国際平和会議場で開催された. そもそもWCSQは,日科技連のSPC(Software Production Control Committee)の委員長だった菅野文友先生が,10数年前世界に向かって提唱され,EOQ(ヨーロッパ品質機構),ASQ(アメリカ品質協会)の賛同を得て実現したものである.

それだけにWCSQは,数ある世界会議の中でも特別の意義と価値のある会議であろう. WCSQは5年ごとにアメリカ,アジア,ヨーロッパの順で開催されることとなっている. 第1回は1995年6月サンフランシスコで開催された. 第2回が今回の横浜で,第3回は2005年パリでの開催が決まっている.

今回の2WCSQの出席者は,国内603名,海外117名(国と地域は29)であり,参加者の主な内訳は,欧州44,北米15,韓国27,中国15,インド6,台湾5であった. 発表論文数は,オーラル・セッションとポスター・セッションを合わせて128件もあった. 5年前の1WCSQの出席者246名,(国と地域は21),論文数60件と比較してみても,いかに2WCSQの規模が大きかったかお分かりいただけるであろう.

まず本会議に先立って25日午前中,チュートリアルが開催された. 9つのテーマで実施され,参加者は予定していた約2倍の375名にも達し,直前に大きな会場に変更するという,うれしい誤算があった. 25日の午後からレジストレーションの受付,明日からの発表に備えてチェアパーソンとスピーカーの打ち合わせとウェルカム・カクテルが行われ,いやがうえにも明日からの本会議への期待を盛り上げた. 26日からの本会議は,パシフィコのメインホールにおけるオープニング・プレナリーから始まった. 地元横浜市長など来賓挨拶の後,飯塚先生,Tom Gilbのキーノート・スピーチと続いた. 午後から本会議の主目的である,オーラル・セッション,ポスターセッションが開始された. 今の時代を反映して,「プロセス変革と品質」や「新しい品質パラダイム」などの発表が多かった. 夜にはSIG(Special Interest Groups)があり,80数名の参加があった. 10個のテーマに分かれ,それぞれが興味あるテーマのもとに集まり活発な議論と意見交換がなされた. 27日は終日,発表であった. また飯塚先生,Tom Gilb,Francois Nazelleという豪華メンバーでのパネルディスカッションもあった. 夜のバンケットは国内90名,海外60名の参加であった. 歓迎の尺八と琴の演奏で始まり,ビンゴで大いに盛り上がった. 圧巻だったのは市長命で横浜まで駆け参じて下さった陸前高田市の方々の和太鼓演奏だった. ホテル全体を揺るがさんばかりのド迫力に,海外の方々は度肝を抜かれたのであろう. 翌日,事務局に和太鼓の写真が欲しいとの申し込みが跡を絶たなかった. 28日は午後3時まで発表があり,引き続きクロージング・プレナリーで,次回パリで開催される3WCSQでの再会を誓い,2WCSQは幕を閉じた. 29日はオプションとして,日本の最先端技術に触れることができる3つの企業訪問コースが用意され,国内14名,海外39名,計53名の方々が参加された.

2WCSQがかくも盛大でしかも成功裡に終わったのは,5年も前から準備を開始していただいた組織委員会,実行委員会はじめ各委員会のメンバーのご努力,そして各企業,組織・団体の有形無形の多大なご支援があったからこそであろう. また職務とはいえ,日科技連2WCSQ事務局の遠藤参事,中西の両氏のご苦労を忘れてはいけない. なお2WCSQの内容と詳細については,富士通の弓田氏が「ENGINEERS」12月号に報告されているので,そちらをご覧いただきたい.

2WCSQの会議テーマが,「Software Quality for the Coming New Millennium」であった. 関係者一同は,本会議が来る1000年のソフトウェア品質への第1歩となってくれることを心から願っていたし,2WCSQはその期待に違わず,その礎となってくれたと言っても過言ではないだろう.

■ 私の提言  ISOと品質パフォーマンス

(株)NTT・MEコンサルティング 取締役 福丸 典芳
現在ISO9000シリーズに関しては,世界で約35万,日本で約1万7000にものぼる品質システムが認証されている. しかし,これをうまく活用している企業は数%にも満たないのではないだろうか.

このようなことも一つの背景として,ISO9000シリーズの改訂が行われようとしている. 今回の改訂のキーワードは,顧客満足と継続的改善になっているが,企業がこの規格をうまく活用できなければ,どんなに良い規格が制定されようが無用の長物となるのではないかと危惧する. すなわち,ISOを使うということは,導入しただけの効果がなければ経営として意味をなさないと思う. このため,経営者は,どのようにしてこの規格をうまく活用し,経営に役立たせようとするのかについての方針を明確に社内外に示す必要がある.

一方,ISOの要求事項だけで品質パフォーマンスが改善されるわけではないことを認識する必要がある. なぜならば,規格の要求事項は最低限実施すべきことを定義してあり,それを具現化する方法論については規定されていないからである. したがって,品質パフォーマンスを向上させるためには,この方法論の改善が必要となってくるので,企業が考慮すべきこととしては,この規格の意図するところを十分理解し,企業にとってどのようなマネジメントシステムを構築するのかを明確にする必要がある. 構築にあたっては,有効性と効率について考慮しなければならない. 例えば,品質を作りこむための手順にムダ,ムリ,ムラがないかといった点についてプロセスの検討を行うことが基本となる. また,品質パフォーマンス改善のためには,品質データ収集し,統計的手法に基づいて分析し,改善を進めるといった改善のPDCAのサイクルを回すというプロセスを行うことが,有効性と効率について改善を進めることになる.

したがって,このようなプロセスは,日本企業が進めてきた品質改善に関する方法論の原点であり,すでに企業内に根付いていると思わるが,今回の改訂による品質マネジメントシステムの再構築を機会として,品質管理の原点に返った活動を行うことによって,ISOを活用して品質パフォーマンスの改善を進めることにより,ISO取得の意義が出てくるのではないかと思う.


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