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学会誌「品質」
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JSQCニューズ 2000年2月 No.218

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トピックス「日本品質奨励賞の創設」

私の提言「学会の活性化−その方策−」

我が社の最新技術「CVT(無段変速機)」


■トピックス  日本品質奨励賞の創設

財団法人日本科学技術連盟 理事長 井田 勝久
創設のねらい
日本科学技術連盟は1946年に創立以来、産業活動の基盤をなす品質管理を中心とする経営管理技術の研究開発と啓蒙普及に尽力してまいりました.

今日、我が国の製品品質が世界的に高い評価を得てきておりますことは、当連盟の永年の事業の成果が些かなりともお役に立ててきたものと思います.

しかしながら、かつて世界最高水準にあるといわれた我が国産業の製品や品質の水準は、個々の企業で相違はあるものの、産業競争力が低下しているのではないかという指摘もあり、全体として影をさしているのではないか、特に日々激化する国際競争の中、相対的優位を失っているのではないかとの懸念が持たれております.こうした状況の中で総合的品質管理(TQM)の製品の品質はもとよりサービス業務の質、経営の質など品質の向上を追求する「品質管理」の方法として大変大きな役割を果たしてきており、また果たすものであります.

我が国の品質管理は製造業を中心としてTQC活動によって発展してきましたが、最近は非製造業への拡がりや品質保証の国際規格ISO9000の認証取得企業の増加などにより一層多くの企業がかかわりを持つに至っております.

このような状況の下で、我が国産業の品質向上活動をTQMを中心として一層広く、また一段と質の高いものとし、我が国産業の発展に貢献するため、当連盟の創立50周年を記念して「日本品質奨励賞」を創設いたしました.

日本品質奨励賞は以下の2つの賞で構成されています.
日本品質奨励賞

受賞の対象となる組織は営利組織・非営利組織、製造業・非製造業を問いません.

TQM奨励賞
TQM奨励賞は品質の改善が着実に進展しており、さらにその継続とレベルの向上が図られれば、企業の業績は向上し、デミング賞実施賞の受賞のレベルに至ると思われる組織の品質マネジメントを積極的に表彰し、今後の一層の発展を促す動機を提供することを目的とするものであります.TQMを指向している組織においてその展開を速やかに行うための一つの道程として位置付けられています.
品質技術革新賞
品質技術革新賞は品質マネジメント・システムを構成する要素について、その要素に新しい革新的な技術が開発されている場合に、その技術を積極的に表彰していこうとするものであります.この技術を表彰し、一般に公開していくことは、これらを開発した組織の功績を社会的に認めてそれを表彰するだけでなく、他の企業に対する啓発、あるいは他の組織との交流により当該組織内でのさらに新たな発展につながることが期待されます.品質技術革新賞は受賞組織はもとより、広く我が国あるいは世界の企業の品質マネジメントの発展をその技術の革新を通じて実現していくことを目的としています.
受審のお勧め
我が国の産業競争力の見直しと強化が問題となっている折から、各企業においてこの際もう一度商品の開発力と社会的品質を含めてその品質マネジメントの強化をはかることは、その経営基盤をより強固なものにする有力な手段であります.日本品質奨励賞はそれに貢献するものとなることを願っております.

品質による経営の基盤を構築し、これを発展させる手段の一つとして日本品質奨励賞を受審することをお勧めいたします.

本件につきましては、下記宛お問い合わせください.

(財)日本科学技術連盟 事業部内
  日本品質奨励賞委員会事務局
  〒166-0003 東京都杉並区高円寺南1-2-1
  TEL 03-5378-1215 FAX 03-5378-1220 E-MAIL XLM02621@nifty.ne.jp

■ 私の提言  学会の活性化−その方策−

明治大学理工学部教授 大 滝  厚
学会の行事を担当して2年目に入った.1年目は、前委員長の的確な段取で、その進捗管理と実行に専念すればよかったが、引続き行事担当となると、一抹の不安を抱いていた.幸い、委員の方々のご協力で、11月の委員会でほぼ年度計画と担当委員が決まり、不安も徒労に終わった.あとは進捗管理さえすればと思いきや、11月末の理事会の定例議題後、突然、「臨界事故、新幹線トンネルのコンクリート剥落、人工衛星打ち上げ失敗、医療過誤などの一連の問題に対して学会として情報発信をしなくてよいのか」との疑問が投げかけられた.それが契機で、関連シンポジウムを3月開催するようにとの理事会提案となった.閉会後の会長、副会長同席の懇談では、もっぱらこのテーマがつまみとなって議論が交わされ、3月の緊急!シンポジウムテーマ「未然防止」に近い案が出てきて、翌日から急遽計画に奔走することとなった.

12月の行事委員会で理事会提案の報告説明と了承を得ることからスタートして、すでに進行しつつあったシンポジウムの先送り、会場確保、講演者の人選と依頼等々、テーマの「緊急!」と「師走」を地で行くアジャイル(俊敏)な動きを要求されることになった.しかし、幸いこれも学会員のご協力もあって、ご依頼する方々からは、日程を変更してまでシンポジウムにご賛同いただけるとのご快諾を得たりした.

それと今回のシンポジウムは、単なる品質管理界だけの問題ではないとの判断から、今まで行っていなかった他学会への後援を思い立ち、その依頼状を発送した.年が明けると、すべてOKとの回答が返ってきた.実に有り難いことである.

以上、3月の緊急!シンポジウムの裏話を紹介させていただいたが、私が今回の行事事故(?)から学んだことを、提案のかたちでまとめさせていただくと次の2つになると思う.

  1. 行事のマンネリ化からの脱却!
    そのためには、「トップダウンの行事企画!」、年に1、2回あってよい.
  2. 他学会との交流!

「品質の一人歩き」をやめて、「何のために品質があるか」を考え、「品質に関心を持 つ人の輪を広げよう!」

 

■ わが社の最新技術  CVT(無段変速機)

日産自動車(株)パワートレーン商品企画部 梅 野 良 文
はじめに

近年、地球温暖化を誘発する温室効果ガスの一つであるCO2の削減は地球規模での差し迫った課題であり、自動車会社においてもCO2の排出を少なくする低燃費のクルマの開発が求められている.

自動変速機も、これまで変速の滑らかさと快適性を求めて多段化と高機能化を進めてきたが、ここへきて前述の環境問題への貢献も必要となってきており、これら双方の要求を高い次元で達成できるということからクローズアップされてきているのが、CVT(Continuously Variable Transmission:無段変速機)である.

当社の最新鋭CVT「EXTROID CVT」
当社の最新鋭CVT「EXTROID CVT」

当社では’92年にベルト式のN・CVTを、’97年には世界で初めての2Lクラス用CVT-HYPER CVTを投入してきたが、先日これも世界で初めて3Lを超える車用のEXTROID CVTと先述のN・CVTの後継である1〜1.3用のHYPER CVTを発売し、世界で初めてコンパクト車から大型高級車までCVTを供給することになった.

方式とそのポイント

CVTで現在実用化されている2つの方式、それぞれの概要と効率向上のポイントについて説明する.

2・1 ベルト式CVT

ベルト式CVTの変速機構部は、図1に示すように、スチールベルトと入力側(プライマリー)と出力側(セカンダリー)の2組のプーリーで構成され、スチールベルトのプーリーへの巻き付き径の変化により、無段階の変速比を実現する構造である.

図1ベルトCVT変速機構
図1ベルトCVT変速機構

高トルクの伝達のためには、スチールベルトを挟み込むプーリーの圧力を高くする必要があり、オイルポンプを含む油圧回路の機能の向上や効率の向上が求められる.当社のHYPER CVTでは、オイルポンプの効率向上及び油圧回路の損失低減を図るとともに、高回転時の流量を制限するための制御弁を追加して伝達効率を向上させている.

2・2 トロイダル式CVT

トロイダル式CVTの変速機構部は、図2に示すように、パワーローラーと入出力ディスクで構成され、入力ディスクの回転と出力ディスクの回転比により、無段階の変速比を実現する構造である.

図2トロイダルCVT変速機構
図2トロイダルCVT変速機構

入力ディスクとパワーローラー、パワーローラーと出力ディスクそれぞれの接点が描く円の大きさは、パワーローラーの傾きにより変化し、その円の大きさの比が、変速比となる.

変速は、ローラーに直接力をかけずに、ローラーを中心点から上下に動かした時に生じるステアリングエフェクト作用(高速回転しているディスクがローラーを傾けようとする力)を利用しているため小さな力で作動し効率が高い.

また、当社のエクストロイドCVTはパワーローラーと入出力ディスクを2組用いた「ダブル・キャビティ」方式とすることにより、倍の力を伝えられる上に、小型でバランスの良い構成となっている.

CVTの特長

トルクコンバータをつけたCVTでは、連続変速のメリットを生かして、低車速までロックアップを行なえるため、従来ATに対して燃費上有利である.また、エンジンの燃料消費率マップ(図3)上で発進加速時の走行軌跡を従来ATと比較すると、CVTはスムーズに早く最も燃料消費率の良い領域に達し、その領域を維持した走りが可能であることがわかる.

図3エンジン燃料消費率マップ
図3エンジン燃料消費率マップ

結果として、従来ATに対して燃費で10〜20%、CO2の排出量でも10〜20%の改善が図られている.更に直噴エンジンと組み合せると、より一層燃費が良くなる.また、変速比幅が大きくとれて低回転で走れるため騒音も小さくできる.

一方走りの面でも、駆動力の段差が無いことから、変速ショックの無い極めて滑らかな走りとエンジンの高いパワーを連続的に引き出した力強い走りの両立ができる.

おわりに

CVTは、自動変速機の今後の主流になって行くものと考えられている.当社としても今後もさらなる改良や研究開発を進めていきたい.

 


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