経営工学関連学会協議会




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会長 久米 均(中央大学理工学部)

■ 2005年10月のメッセージ

1. 学術会議改組について

日本学術会議に関する法律改正により、日本学術会議第19期は、去る9月30日で終了し、10月1日から新しい組織のもとで、20期が始まりました。これに伴って研究連絡委員会および専門委員会は廃止され、経営工学研究連絡委員会、経営管理工学専門委員会も9月30日でその活動を停止しました。新しい体制においては、学術会議会員はco-optation により、日本学術会議会員による推薦で選出されることになりますが、今回に限って日本学術会議会員推薦管理会が設立され、この管理会の選考によって210名の会員が選出されました。極めて残念なことでありますが、経営工学関連学会からの選出はありませんでした。今後FMESと学術会議の関係をどのように行なっていくかについて考えることが必要です。20期以降は、従来の研究連絡委員会委員、専門委員会委員に代わるメンバーとして、約2000名の連携会員が選出される予定です。これがどのような手続きでどのような人達を選出するかは20期の会員が定めますが、本年12月末までに1000人、来年の3月までに1000人が選出されると聞いています。

2. FMES会長について

FMESの規約により、これまで日本学術会議経営工学研究連絡委員会の委員がFMESの会長を勤めることになっていましたが、経営工学研究連絡委員会が廃止されましたので、この規約の改正を行ないます。新しい規約では、FMESに参加している各学会からFMES委員を選出し、FMES委員の互選により委員長が選出されることになります。現在FMES参加の各学会でFMES委員の選出が行なわれていると思いますが、新委員長が選出されるまでの間、引き続き現委員長の私が暫定的に委員長を勤めさせていただきます。

3. 今後のFMESの活動について

これまでFMESでは

  1. 日本学術会議の経営工学研究連絡委員会、経営管理工学専門委員会での活動、
  2. JABEE(日本技術者教育認定機構)での経営工学関連学科の教育認定に関する業務、
  3. FMES主催によるシンポジウム
を中心に活動を行なってきましたが、b. c. についてはこれまでと同様の活動が一層充実した形で行なわれることを期待しております。a. については1.で述べた連携会員がこれを行なうことになります。連携会員とFMES委員とは直接関係がなくなりますので、どのようにこれを行なうかは連携会員が選出された段階で検討することになりますが、FMESの活動は日本学術会議とは関係なく積極的に進めていけばよいと考えています。

(2005年10月21日)

■ 2004年10月のメッセージ

1. 工学部門の研究業績評価に関するシンポジウムについて

学術会議第5部では、国立大学八大学工学部長会議からのご要請を受けて、拡大役員会を設置して、工学部門の業績評価をどのように行うかの検討を行っていることは既にご報告させていただきましたが、より広くその検討を行うことを目的として、下記によりシンポジウムを開催します。経営工学科、経営工学研究者の業績を何によって評価すべきであるかのご検討を経営管理工学専門委員会にお願いしているところですが、経営工学分野からのご参加と、ご意見のインプットを期待しています。

日時 2004年12月7日 10時〜17時
場所 日本学術会議講堂
詳細は日本学術会議事務局第5部担当市川さんにご照会ください。
(Tel 03-3403-1056)

2. 日本学術会議の組織改正

日本学術会議の組織改正については既にお知らせしたところですが、第20期の会員候補者を選ぶ選考委員会のメンバーがきまりました。このメンバーリストは、日本学術会議のホームページ (http://www.scj.go.jp/) の日本学術会議ニュース、平成16年9月号に掲載されています。

3. 科学研究費補助金の審査委員について

日本学術振興会は、従来の日本学術会議からの推薦に基づいて審査委員を選定する方式を改め、審査委員候補者の情報を広く収集し、集積したデータを基に選定することとしました。17年度は、日本学術会議研究連絡委員会がそのための情報提供を行ったのですが、18年度からはこれを改め、日本学術振興会に設置した、学術システム研究センター(プログラムオフィーサに相当する研究員で構成)で行うこととしています。日本学術振興会では関係学協会に対して審査員としてふさわしい研究者に関する情報提供を求めており、直接同会あてに行ってほしいとのことです。FMES関連学会においても十分な対応をとることが必要です。具体的な情報提供の要領については下記をご覧ください。

http://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/14_kouho/
(現在準備中、10月上旬から利用可能とのことです)

■ 2004年4月のメッセージ

経営工学研究者の業績(メリット)について

 最近になって、大学や研究所などの研究機関の業績に対する評価が行われはじめました。データが得やすく評価が比較的簡単に行えるということで、アメリカの科学情報会社であるトムソンISI社の発行するデータベースでの論文数、引用数などが用いられることが多いようです。しかし、工学のように社会への直接的な関与の大きな分野では、論文誌に掲載される研究報告は業績の一部であり、建築作品、基準作成、工業所有権、政策決定への関与、マネジメント・システムの開発、ソフトウエア・プログラムの開発、なども積極的に評価すべき業績です。現在、国立大学八大学工学部長会議からのご要請を受けて、学術会議第5部において拡大役員会を開催し、工学部門の業績評価をどのように行うかの検討を行っています。これについてはいずれ報告する機会を持ちたいと思っています。

 ここで、経営工学関連の各学会にお願いしたいことは、上記の文脈において、経営工学科、経営工学研究者の業績を何によってどのように評価すべきかを提案していただきたいのです。世の中の科学技術の流れは、‘知識のための科学’から‘社会のための科学’、‘ハード’から‘ソフト’、‘もの’から‘仕組み’、に変わってきており、経営工学が活動すべき分野が急速に拡大してきています。狭い蛸壺の中で、従来の陳腐化した研究活動をメリットとするのでは経営工学は社会の期待に応えているとは云えません。経営工学を発展させるためには、社会の要請に積極的に応えている活動を研究者のメリットに組み入れていくことが必要ではないでしょうか。

 日本学術会議では来期に大幅な組織改正が行われます。来期の学術会議会員の選出は、従来の学会からの推薦ではなく、推薦委員会が設立され、推薦委員会が研究者個人のメリットによって会員を推薦することになる予定です。経営工学は、電気・機械・化学などのハード分野とは異なった分野を活動分野とする工学です。それにも拘らず、これらのハード分野と同じメリットで評価を受けることは適当ではありません。優れた経営工学研究者が推薦を得るためには、先ず、経営工学としてのメリットを十分明確にしておくことが必要で、これは経営工学の今後の発展のためにも必要なことと考えます。

■ 2004年3月のメッセージ

科学研究費補助金の審査委員について

 毎年、今頃になると日本学術振興会から科学研究費補助金の審査員の推薦依頼がきます。今年も去る1月20日にその説明会が開かれ、学術体制常置委員会の金沢委員長から、平成17年度向けの審査員の情報提供の依頼がありました。従来は審査員の半数が入れ替わるので、その補充という形で、補充すべき人数の2倍の候補者の推薦を学術会議が行っていたのですが、来期に学術会議の大幅な組織改革が行われるのに合せて、その方式が変更されます。

 日本学術振興会は、従来の日本学術会議からの推薦に基づいて審査委員を選定する方式を改め、平成17年度は、審査委員候補者の情報を広く収集し、集積したデータを基に選定することとしました。日本学術会議は、日本学術振興会からの依頼に基づき、平成17年度については審査委員として適切な情報提供を行う一機関として協力することになりました。情報提供の対象となった研究者は、日本学術振興会が自ら管理する「日本学術振興会審査委員候補者データベース(仮称)」に登録されるものと思われます。

 日本学術会議は、第1段審査委員については定数の概ね3倍以上、第2段審査委員については定数の概ね5倍以上の情報提供、特に若手研究者、及び女性研究者の情報提供を求められています。

 これを受けて経営工学研究連絡委員会が窓口になっている、社会・安全システム科学分科、社会システム工学・安全システム科学細目では18名以上の第1段審査委員、5名以上の第2段審査委員の情報提供を行うことになりました。この約半数をFMES参加学会で引受けることになり、各学会への割当てを2月24日に開かれた経営管理工学専門委員会(FMES委員会)で決めさせていただきました。今回は上に述べたように、情報提供の対象となった研究者は審査委員データベースに登録されると思われるので、大目に情報提供するのがよいのではないかと考え、各学会に2名ずつの情報提供をお願いしています。皆さんの方に学会長あるいは経営工学専門委員会委員から審査委員として情報提供を行わせてほしいとの依頼があった場合にはお引受けいただくようお願い致します。

■ 2003年10月のメッセージ

1.FMESについて

  FMESの規約により、日本学術会議経営工学研究連絡委員会の委員会の委員が FMESの会長を勤めることになっている関係上、及ばずながら私が前期に引き続いて FMESの会長をお引き受けすることになりました。

  今回、FMESのホームページが立ち上げられたことは、 FMESの今後の活動を一層効果的なものにすると考えており、関係者のご努力に感謝いたします。

今後このホームページを利用して、FMES、日本学術会議の活動などを皆様にお伝えしていきたいと思っています。

  FMES(経営工学関連学会協議会)は現在、
    日本経営工学会、
    日本オペレーションズ・リサーチ学会、
    日本品質管理学会、日本開発工学会、
    日本信頼性学会、
    研究・技術計画学会、
    日本設備管理学会、
    経営情報学会、
    プロジェクト・マネジメント学会
の9つの学会をメンバーとする学会の集まりですが、 これらの学会の会員でFMESの存在をご存知の方はどれくらいおられるでしょうか。 FMESでは
a. 日本学術会議の経営工学研究連絡委員会、経営管理工学専門委員会での活動
b. JABEE(日本技術者教育認定機構)での経営工学関連学科の教育認定に関する業務
c. FMES主催によるシンポジウム

など、経営工学関連学会が協力して行うべきであると思われる活動を行っています。
  これまで、FMESの委員会はFMESの委員が学術会議の経営工学研究連絡委員会、経営管理工学専門委員会の委員を兼務していましたので、これらの委員会を同時に開いておりました。
今期もこれを踏襲したいと思っております。


2.学術会議から

第19期日本学術会議はこの7月からスタートしました。
7月の19期最初の学術会議総会及びその後に開かれた第5部会で今期の役員選挙がありましたが、 次のように決まりました。

会長 黒川 清(第7部、病態代謝学)
副会長 戒能通厚(第2部、比較法学)
岸 輝雄(第5部、金属工学)

また第5部(工学)の役員は

部長 久米 均(経営工学)
副部長 小林敏雄(機械工学)
幹事 池田俊介(土木工学)
御園生誠(応用化学)

という顔ぶれです。
図らずも私が部長に選出されたのですが、 浅学非才の自分に第5部長の重責が果たせるかどうか、 自分には荷が重いというのが偽らざる心境です。
しかし、選ばれたからには、自分が何故選ばれたのかをよく考え、 選んでいただいた方々のご期待に応えるべく出来るだけの努力をしたいと思っております。
出身母体である経営工学関連学会の皆様のご支援とご協力をお願いする次第です。
現在学術会議に関する法律改正が進められております。
この改正で、学術会議会員の選出母体であった領域別研究連絡委員会は 廃止されることになりそうですが、学術会議会員がどのように選出されるかは 未だはっきりした結論は出ていません。
領域別研連がなくなれば、当然、経営工学研究連絡委員会もなくなりますが、 経営工学研連が廃止されても、FMESは現在のまま継続すべきであると考えています。


3.社会のための学術

第17期、第18期の学術会議の活動は一口にいうと人類の持続可能な発展のために、 学術はいかにあるべきかの検討を中心に進められました。
学術の進歩が社会に大きな影響をもたらしている現在、学術は学術のための学術に止まらず、 社会のための学術を指向する方向で多くの活動が行われました。
16・17世紀以降の自然科学は‘認識’と‘実践’という人間の一般的活動の原型から、 ‘認識’を切り離し、純然たる知的関心に基づいて、 専ら関心の対象に関する認識を深める活動を中心に展開してきました。
実践から切り離された科学は、物理学、化学、生物学等の「ディシプリン領域」と 「ディシプリン科学」を生み出し、その細分化、専門化をもたらしました。
人間は生きるために多様な知識を用いています。
生きるための知識は認識を目的とする科学とは異なる体系を持っています。
ネットワーク・システムは人間の生活に大きな影響をもたらしていますが、 これの利便性を追求する活動とその稼働の信頼性を追求する活動は、 いずれも‘利用’にとって重要な活動ですが、 現在の認識科学の体系ではこれは別のディシプリンに属する問題で、 対象知識を中心とするディシプリンではこれを簡単に統合することはできません。
利用知識として体系化すべき学問は、 これらのディシプリンを目的に応じて統合するものでなければなりません。


4.今後の活動に向けて

経営工学関連学会においては、その学問の性質上、 これまでもその実用が重視されてきており、 今更社会のための学術ということもないわけですが、マネジメントの範囲の拡大、 その性格の変化にともなう社会の新しい要請に経営工学は十分対応できているか、 狭い従来の専門の蛸壷に入って自己満足に陥っていないかについて、 常に見直しを行っていくことが必要だと思います。
先に述べたように、現在、経営工学関連学会は9つの学会で構成されていますが、 経営工学を社会に一層役立つものにするためには、 これらの学会で開発されている知識を統合して用いることが必要で、 今後のFMESはこの方向にむけて発展していくべきものと考えています。

(2003年10月11日)



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