現代は情報化社会といわれています。コンピュータの発達と相まって、世界がネットワークで結ばれるようになりました。他国のある地域から発信された情報を日本に居ながらにして瞬時にしかも複数の場所で同時に手に入れることができるという便利さがある反面、ある一部の地域で発生した問題が全世界に波及する危険も伴っています。日本企業が海外へ進出していく一方で、外国籍企業の日本への参入がますます増加しています。今や企業経営は地球規模で考えていかなければなりません。

こうしたグローバル化が進むにつれて、考慮すべきリスクも多種多様になります。局地的な戦争が世界に及ぼす影響も無視できません。民族紛争にみられるように価値観は多岐にわたり、共通した認識でまとめることが困難な場合もあります。また、交通の発達に伴って人の移動が容易になった反面、伝染病等が時には予想もつかない速さで広がる危険もあります。さらに、地震や火災などの危険も考慮しなければなりません。

このようにきわめて不確実な状況下で、企業が適切な経営戦略を立てていかなければならない背景を鑑みて、FMES・研連シンポジウム実行委員会では「経営戦略とリスクマネジメント」をテーマに取り上げました。これ自体は非常に大きなテーマであり、それぞれの業種によって特色ある取り組みがなされています。今回は、学界、商社、生活基盤を支える業種、製造業の方々を中心に、それぞれの分野におけるリスクマネジメントについてお話をしていただきます。質疑応答の時間も充分に設けておりますので、多くの方々のご参加をお待ち申し上げております。関連学会の会員でない方々のご参加も大歓迎です。